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建通新聞社(中部)
2013/02/06

【三重】県土整備部 鳥羽河内ダム検討の場 治水対策案など評価

 三重県県土整備部は1日、鳥羽市内で「第2回鳥羽河内ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場」を行い、6案の「治水対策案」の評価や「流水の正常な機能の維持対策案」などを検討した。会議には土井英尚県土整備部長、木田久主一鳥羽市長らが出席し協議を行った。今回示された案について、2月中旬からパブリックコメントを行い、意見を集約した上で5月に予定する第3回の検討の場で対応方針案を決定する予定。6月以降、県の評価審査委員会、国への報告などを進める計画。
 鳥羽河内ダムは鳥羽市河内町に計画される総貯水量482万dの重力式コンクリートダム。ダム事業見直しの対象として代替案などの検討が求められている。今回の協議では、ダム事業の点検結果として、総事業費について地質状況などの点検により約182億円(2006年度計画では約197億円)に抑えられたことを公表、またダム建設の場合の事業期間を15年間とした。治水対策案では、第1回検討で示した5案と市側が提案した1案を加えた6案について評価を行った。
 治水対策案は、@ダム+河道改修案A河内農地防災ダム再開発(嵩上げ)+河道改修案B遊水地+河道改修案C放水路+河道改修案D河道改修単独案E穴あきダム(流水型ダム+河道改修案)。この6案に、評価軸(安全度、コスト、実現性、持続性・柔軟性、地域社会への影響、環境への影響)と各軸ごとの評価の視点を当てはめ、特徴や他の改修案との差異を示した。一例ではコスト面で、@が約123億円と最も低い事業費となり、Cが約240億円と最も高い事業費となった。また、実現性と地域社会への影響の項目については、加茂川の改修が伴うBとDの改修案について、「再度の河川改修となることから、住民生活へ与える影響が大きい」とした。環境への影響では、@が、一時貯留による水環境の変化があることを挙げた。
 流水の正常な機能の維持対策案では、鳥羽河内ダム建設や既存ダムの再開発など17案の代替方策を挙げ、適用可能かどうかの検証を行った結果、▽鳥羽河内ダム計画▽既設の河内農地防災ダム再開発(嵩上げ)▽河道外貯留施設(貯水池)▽地下水貯水―の4案について適用可能という判断を示し、このうち、河道外貯留施設(貯水池)と地下水貯水の案は単独では十分な機能を果せないということで、2案を合わせて1案とし、最終的に3案とした。
 協議では事務局側に対し、地下水の取水による河川水位への影響、既存ダム堤防を嵩上げする場合の強度などについて質疑があった。

提供:建通新聞社