トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

日本工業経済新聞社(群馬)
2013/02/12

【群馬】学校耐震・改築に重点−高崎市予算案

 高崎市(富岡賢治市長)は12日、2013年度予算案を発表した。普通建設事業費は148億6678万5000円とし、12年度当初から2・3%増やした。これとは別に国の緊急経済対策として3月補正予算案において、小中学校の耐震補強工事費を前倒し措置しており、3月補正案を加えた普通建設事業費は計157億7587万7000円となり、実質的には前年度比8・5%増額とした。富岡市長は会見において「13年度でほとんどの学校において耐震設計が完了する」と見通しを示した。このほか新規事業として、まちなか商店リニューアル助成事業を立ち上げ、商店街やリニューアルを請け負う市内業者への活性化も図っていく。一般会計予算の総額は1523億9000万円とし、前年度から0・6%の微減となった。

 富岡市長は「徹底した事業費の削減、重点事業の積極的な推進、人件費の圧縮の3つの柱を掲げ、限られた財源をいかに効率よく、効果のある事業に配分していくかを重視した」と説明。学校施設の耐震化には8小学校、1中学校分の工事費4億2862万2000円を3月補正予算案に前倒し計上。これとは別に、13年度予算案に2億562万6000円を措置し、診断(8小学校、4中学校)、設計(29小学校、6中学校)、工事(2幼稚園)を実施する。
 老朽化した校舎などの改築関連には7億9046万6000円を計上。箕輪小学校校舎や第一中学校屋内運動場で改築に向けた設計に取り組むほか、東部小学校屋内運動場では解体・建設工事、国府小学校および群馬南中学校ではプールの建設工事に着手する。教育施設整備関連は3月補正分を含めると、いずれも12年度から増額され重点を置かれている。
 まちなか商店リニューアル助成は、13〜15年度までの3年間、店舗のリニューアル費用の2分の1(上限100万円)を補助するもので1億円を措置。富岡市長が各建設関連団体の新年会でもあいさつで言及するなど、重点事業のひとつ。富岡市長は「市内には6200の商店があり、2割(1240店)がリニューアルを希望している。助成制度があればこのうちの5割(620店)がやりたいと言っている。全市的に全業種を対象にするのは全国にもない」としている。詳細は今後詰めていくが、リニューアルを請け負うのは市内業者に限定されることとなりそうだ。このほか、新規に事業者用太陽光発電設備導入支援、LED街路灯街路灯設置推進事業を拡充するなど、地域密着型事業を拡大させる。
 都市集客施設整備事業には20億8357万2000円を計上した。基金積立のほか、基本設計費や再開発事業支援委託費にあてる。新体育館建設事業には設計費や地質調査委託費として1億2659万5000円を措置。現在は設計業者からの技術提案書を受け付けている段階で、3月下旬にも選定される。15年度中の完成を目指す。
 このほか、主な新規事業として◇南部野球場(仮称)整備◇上信電鉄南高崎駅・根小屋駅間新駅設置◇八幡霊園拡張整備◇箕郷第三保育園改築−が挙げられる。南部野球場(仮称)は、高橋養鶏場跡地(藤岡市森新田)に整備する。用地買収費3億7314万2000円、測量設計委託費700万円、整備工事費1億4300万円を措置した。
 上信電鉄南高崎駅・根小屋駅間新駅設置には測量設計委託費や駅前広場整備工事費など2150万円を盛り込んだ。住宅化の進行のため、上信電鉄の南高崎駅と根小屋駅との間の上佐野町に新駅を設置し、公共交通網の強化や利便性の向上を図る。事業期間は13・14年度の2カ年。
 八幡霊園拡張整備には基本設計委託費や用地買収費として3億8142万2000円を計上。今後、墓地の不足が見込まれるため、若田町・下大島町の霊園を拡張し墓地の確保とともに、周辺環境整備を実施する。
 箕郷第三保育園改築では、1969年築の園舎を建て替えることで、施設強化を図るとともに新たに0〜2歳の乳幼児受け入れを実施する。13年度に基本・実施設計のほか、工事にまで入る見通しで、1億4156万円を計上するほか、工事費については13年度分1億1106万円、14年度分1億6659万円の債務負担行為を設定する。
 継続となる小栗の里整備事業には7億8142万6000円、新斎場建設事業には3億7151万4000円、老人福祉施設等施設整備費補助には2億2839万円をそれぞれ措置。小栗の里では公民館などの解体や本体建設工事、新斎場では実施設計や敷地造成工事に着手する。また、老人福祉施設等施設整備費補助では特別養護老人ホーム60床(1億9236万円)、短期入所生活介護10床(1603万円)の施設整備に対して補助するほか、老人福祉施設の大規模修繕についても上限2000万円まで助成する。