トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(静岡)
2013/02/22

【静岡】新野川など3水系と酒匂川水系の河川整備基本方針策定へ―静岡県 

 静岡県は、御前崎市を流れる「新野川」「筬川」「中西川」の3水系と、御殿場市を流れる「酒匂川(鮎沢川)」水系の河川整備基本方針を策定する。これに向け4日、県河川審議会(会長・福田昌史高知工科大学客員教授)を開き、河川整備の目標などの協議を開始した。新野川など3水系は2013年度、鮎沢川水系は14年度中をめどにそれぞれ方針をまとめる考え。
 新野(にいの)川は、牧之原台地を源流に、御前崎市西部を流れ遠州灘に注ぐ流路延長10・4`。筬(おさ)川は牧之原台地から牧之原市と御前崎市東部を通過し遠州灘に至る流路延長9・9`、中西川は御前崎台地の平坦な丘陵地を源に遠州灘に注ぐ流路延長1・2`で、いずれも県管理の2級河川。
 新野川では50年に1度、筬川と中西川では30年に1度発生する確率の洪水を安全に流下させることができる河川整備をほぼ完了しているが、河口部の土砂の堆積に対する対策の他、施設の老朽化や河床の変動などへの対応が求められている。さらに、東海地震により想定される最大津波高に対し、河口部付近の堤防高が不足している。
 こうした状況を踏まえ、3河川水系の河川整備基本方針には、▽洪水の流下や高潮に対し、河川沿いや流域の安全が確保できるような河道整備・維持▽施設と河道の適切な管理▽防災情報の提供などソフト対策を含めた被害軽減策の展開▽大規模地震による津波被害を防ぐためのハード・ソフト両面の対策―などを盛り込み、安全に流す洪水(治水)の目標を設定する。
 一方、酒匂川は、御殿場市から小山町、神奈川県小田原市を通過し相模湾に注ぐ流路延長27・2`の2級河川。このうち静岡県内区間(鮎沢川)の延長は15・8`。県境付近は渓谷で、保全が必要な人家などはない。
 2010年の台風9号では、小山町で時間雨量118_を記録し、支川の野沢川や須川を中心に多くの護岸決壊や浸水被害が発生。水の濁りが長期化し、神奈川県内で内水面や近海漁業に大きな影響を与えた。静岡県内区間では30年に1度発生する確率の降雨量に対応した河川整備を進めているが、事業はまだ完了していない。
 河川整備基本方針は、下流区間の酒匂川を管理する神奈川県とともに一つの河川として策定するため、具体的な目標などは今後検討していくが、現在の河川整備の計画を基にまとめていく見通し。基本方針を踏まえて策定する河川整備計画については、両県がそれぞれまとめていく。
(2013/2/22)
建通新聞社 静岡支社