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日本工業経済新聞社(群馬)
2013/02/22

【群馬】東中学校屋体改築設計費に2480万円−富岡市予算案

 富岡市(岡野光利市長)は21日、2013年度予算案を発表した。一般会計予算の普通建設事業費には、前年度から80・0%アップとなる29億7922万8000円を盛り込んだ。投資的経費は32億2263万5000円で、一般会計総額は199億8000万円となり、いずれも過去最高の予算規模。さらに国の大型補正予算による緊急経済対策事業費として、8億5502万円を3月補正予算案として別途計上した。3月補正予算案は全額が普通建設事業費に該当し、いわゆる「15カ月予算」というくくりでの実質的な普通建設事業費は38億3424万8000円となり、前年度の16億5495万9000円からは131・7%の大幅増となる。13年度予算案には東中学校屋内運動場の建て替え設計委託費2480万円など、3月補正予算案には小中学校への空調機設置工事費4億8040万円などを盛り込んだ。市は『未来に向けた積極予算』と銘打ち、国の積極的な政策と歩調を合わせた切れ目のない事業執行に努めていく。14年度からは新庁舎建設工事が予定されていることから、次年度以降の普通建設事業費も高い水準で推移しそうだ。

 市は、大幅増額となった普通建設事業費について「経済対策に力を注いだ。国と歩調を合わせた結果」と説明した。11年度には10億8007万2000円にまで落ち込んでいたが、わずか2年で実質255・0%増の伸びを見せた。2年目を迎える東中学校校舎建替工事や庁舎建設事業、妙義ふれあいプラザ増築および改修工事などに多くの予算が投入されたことが主な増額要因。庁舎建設事業では用地買収や物件補償などが計上された。妙義ふれあいプラザでは、妙義山と富岡製糸場の観光的な連携を進めるため、厨房や浴室、客室、玄関まわりなどの増改築を実施する。
 富岡製糸場の世界遺産登録に向けては、フリンジ(周辺)駐車場の測量設計や整備工事に着手する。内匠地内の東部社会福祉センター跡地にバス専用の駐車場を設け、観光客の受け入れ態勢をさらに強化する。およそ37台分を収容できるようにする。富岡製糸場の『便所15』では470万円を配分し保存整備実施設計に着手する。製糸場内は便所が弱くクレームも多い。ただ、国指定重要文化財であることから、これまで大がかりな改修などは実施されてきておらず、『便所15』が初めてのケースとなる。市は「今後のモデルケースとなるので文化庁と協議しながら慎重に行っていく」としている。
 教育施設整備については東中学校校舎の建設が2年目に入り、東中学校屋内運動場を除いた全施設の耐震化が図られている。屋内運動場では建て替え工事に向けた設計委託費2480万円を盛り込んだ。建築物の耐震化が順調に進んでいるため、13年度からは全小中学校の非構造部材の調査に着手する。調査結果次第では、14年度以降に詳細設計などに取り組んでいくこととなる。また、小学校のトイレ洋式化改修工事も促進させていき、13年度末で目標の洋式化率50%に達する見込みとなっている。14年度以降は中学校のトイレ洋式化を進めていく。また、富岡小学校と妙義中学校、東中学校(3月補正)では太陽光発電設備を設置する。富岡市立学校では初めての設置となる。今後も十分な発電効果が見込める環境を持つ学校では順次設置していく計画だ。
 学校施設の耐震化がほぼ完了していることから、今後は避難所施設の耐震化に重点を置く。生涯学習センターと富岡市講堂、一ノ宮公民館の3施設で耐震補強詳細設計、勤労者会館では耐震三次診断をそれぞれ実施する。
 緊急経済対策となる3月補正予算案には、東中学校太陽光設備設置工事費3500万円のほか◇小学校空調機設置工事費(11校分)3億4925万円◇中学校空調機設置工事費(東中学校を除く5校分)1億3115万円◇妙義中学校柔剣道場および技術教室建築工事費2億261万円◇上州富岡駅周辺整備環境広場整備事業費3872万6000円◇市道藤木相野田線整備事業費4568万3000円◇西富岡内匠線整備事業費3300万円◇松義東部地区土地改良事業費負担金(東部・中部・西部地区)1960万1000円−を盛り込んだ。
 小中学校では全普通教室にエアコンを整備する計画で、現在は設計を進めている段階。また、妙義中学校にのみ設置されていないことから、柔剣道場と技術教室を建築する。