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日本工業経済新聞社(群馬)
2013/02/25

【群馬】教育施設整備に38億−前橋市予算案

 前橋市(山本龍市長)は25日、2013年度予算案を発表した。一般会計における普通建設事業費は198億3936万8000円で、前年度から1・0%減となってはいるが、国の補正予算に伴う本年度予算への前倒し事業として16億4846万2000円、予備費に伴う前倒し事業として7億1700万6000円の計23億6546万8000円を3月補正予算案に計上した。これらを加えると222億503万6000円となり、実質的には前年度の200億4553万6000円からは10・8%の増額となる。山本市長は「今の前橋に必要なものだけを計上した」と説明。全体的に教育施設整備が充実した予算案となっている。一般会計総額は1365億4177万6000円で前年度から1・6%減らした。

 山本市長は「すべての事業を見直し、民意が何を求めているかを探り、重点的に配分した。補正や予備費関連など可能なものは12年度に前倒し、切れ目のない15カ月予算とした」と話した。国の補正予算に伴う前倒し事業には中学校9校の校舎大規模改修工事や耐震設計などに、予備費に伴う前倒し事業は全額を小学校8校の校舎等大規模改修事業にあてる。前倒しの23億6546万8000円のうち、教育施設整備関連に12億6010万6000円をあてる。
 また当初予算案にも、本年度に設計に着手している第五中校舎・体育館や粕川小校舎、宮城小体育館の建設が2年計画の1年目を迎え、多額の工事費を措置した。このほか、桃木小プール改築や永明小校舎増築、大胡東小校舎増築などにも着手。施設維持管理などを含め、教育施設整備には計約38億円を投入する。
 新規事業としては、市庁舎周辺整備に関わる調査費に50万円を計上。議会棟や図書館、職員研修会館、駐車場などの具体的な整備について検討を行っていく。山本市長は「『ハコモノをつくらない』という公約は絶対に曲げない。しかし老朽化が目立つので一定の取り組みが必要だと思っている。(公約は)巨大な財政を投入して新規建築物はつくらないということ。市の財源を一切使わない方法を模索していく」とした。県育英会が再整備する上毛学舎のような、民間活力を使う方法などを想定している。
 このほか主な新規事業は◇東公園周辺道路整備◇橋りょう長寿命化修繕計画事業◇市営住宅管理業務の民間委託に向けた駐車場整備、補修工事等◇東消防署耐震補強工事実施設計◇小水力発電導入検討地の概略・基本設計◇荻窪清掃工場整備方針の検討(経年による老朽度合い調査、今後のあり方検討)◇介護老人保健施設整備補助(増設50床)◇共愛跡地における特別養護老人ホーム等整備事業者の公募(土地購入・売り払い)◇第五中校舎等改築に伴う通学路安全対策−など。
 また、前橋工業高校跡地で計画していた太陽光発電関連予算は計上しなかった。同事業は岩神町の跡地2・8haにメガソーラーを設置するものだったが、跡地の土壌汚染問題などが指摘され、事業費を盛り込んだ補正予算案が昨年12月の定例市議会において反対され、関連事業費を除いた補正予算の修正案が可決された経緯がある。これについて山本市長は「よりよい手法を研究していく。遠くないうちにビジョンを市議会や地元自治会にお示しする」との見通しを述べた。