トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(静岡)
2013/03/11

【静岡】浜松市沿岸域の防潮堤整備でルート・構造の概要明らかに―県

 静岡県は、浜松市沿岸域に整備する防潮堤のルートと構造の概要を明らかにした。民間による寄付金の範囲内で防潮堤の効果をできるだけ高めることを基本に、ルートを用地買収の必要がない官地(公有地)内で現在の海岸保全林の砂浜寄りに設定、構造を土砂とセメントを混合した「CSG」を核とした盛土とする。防潮堤の高さは、試験施工の段階で13bに設定。今後、地元自治会や津波対策分科会の意見、試験施工の状況を踏まえて確定する。
 防潮堤のルートは、早期着工と早期完成を前提に、用地買収の必要がない官地内を原則とするとともに、土砂供給量の減少などによる砂浜の侵食やアカウミガメの産卵など貴重な動植物に配慮し、砂浜にルートは設けない。この考え方を基に、現在ある保安林の前面(海側)に防潮堤を配置することを基本にする。
 構造は、環境面・景観面に配慮し、保安林の再生が可能であることと、地震による液状化や津波の波力に対して安定した構造であることを前提に検討。その結果、土砂とセメントを混合したCSG堤を防潮堤の中心部に配置し、その前後を盛土する工法を採用する。同工法はダムなどに採用されているほか、東日本大震災の海岸堤防の復旧でも採用されている。
 県は2013年度予算案で、津波対策施設等整備事業費として、仮設道路の整備や防潮堤の試験施工に20億円を計上。さらに、海岸防災林再生苗木供給体制構築事業費として、抵抗性クロマツの苗木の生産支援や安定供給するための調整調査などに1000万円、治山事業費として、防潮堤での試験植栽や植栽木管理計画の作成などに1500万円を配分。6月に策定する「第4次地震被害想定」「地震・津波対策アクションプログラム2013」に先立ち、仮設道路などの整備に着手する方針だ。
(2013/3/11)
建通新聞社 静岡支社