トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(静岡)
2013/04/01

【静岡】建設地の選定基準示す―富士山世界遺産センター建設で有識者会議が基本計画

 静岡県の「富士山世界遺産センター基本計画策定アドバイザリー会議」の第3回会合が3月28日、東京都内で開かれ、県が整備する同センターの施設計画や展示内容の方向をまとめた。建設地の選定に当たり、富士山の眺望や利便性に加え、「用地取得の容易性」「インフラ整備の必要性」「センター整備などに伴う市町の積極性」を評価基準に設定し、市町に推薦を依頼した上で決定することを提案。また、施設内に富士山保護管理センターや展示室、映像シアター、ライブラリー、多目的ホール、レストラン・カフェ、ミュージアムショップ、研究室などの配置を提案した。県はこの基本計画を基に2013年度、展示内容の実施計画を策定するとともに建設地を選定。6月の第37回世界遺産委員会での「富士山世界文化遺産登録」を受け、設計者の選定作業を開始する方針。
 基本計画に盛り込んだのは、同センターの事業活動計画と展示計画、施設計画、管理運営計画。
 展示計画では、同センター内の展示内容を、@導入A自然B信仰C芸術D世界遺産―の5点で構成するよう提案。「来館者に対してこれから展開する展示に対する期待感を喚起する演出」、「噴火活動や生成の過程、湧水群の紹介」、「原始から現代にいたる富士山信仰と構成資産の紹介」、「時代により変遷してきた富士山の描かれ方、芸術作品が外国に与えた影響などの紹介」、「世界遺産条約の成立経緯や意義、類似資産の紹介」が必要だとした。
 これを踏まえ、施設計画では、▽富士山保護管理センター▽ボランティア室▽会議室▽倉庫▽展示室▽映像シアター▽富士山ライブラリー▽多目的ホール▽研修室▽総合案内▽レストラン・カフェ▽ミュージアムショップ▽研究室▽収蔵庫―の配置を提案。
 さらに、建設地を選定するための評価基準として、▽世界遺産登録のコンセプトとの適合性(ストーリー性と構成資産との近接性)▽富士山の眺望(眺望の確保と鑑賞のための周辺環境)▽利便性(公共交通機関へのアクセス、東名・新東名へのアクセス、大型バスによるアクセス、駐車場の確保)▽センターの諸活動との関連性(集客力のある既存の施設や景勝地、研究室、図書館などとの近接性)▽用地取得の容易性▽インフラ整備の必要性(電気、水道などの整備状況)▽市町の積極性(整備や事業活動への協力)―を設定した。建設候補地の推薦を市町に依頼し、この評価基準で建設地を決定する。
 同日の会議では、今後の事業の進め方に関連し、「展示計画での富士山世界遺産センターのコンセプトを十分に理解したデザイナー・建築家の活用と早期の選定」を求める意見があった。
(2013/4/1)


建通新聞社 静岡支社