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日本工業経済新聞社(茨城)
2013/04/16

【茨城】県防災情報ネットワーク再整備 本年度に基本・実施設計

 県生活環境部防災・危機管理課は、防災情報ネットワークシステムの再整備を予定している。老朽化や震災での経験を踏まえ、最新の情報通信技術を導入するほか、トラック協会や病院などと接続する。前年度に基本構想を日本工営梶i東京都千代田区)で策定。本年度は基本・実施設計を委託し、来年度から整備して、2016年度に稼働予定だ。本年度当初予算には1億5445万5000円を計上した。

 現在の防災情報ネットワークシステムは、約78億円(うち市町村負担金約12億円)をかけて1997〜98年度に181局(市町村85、消防本部28)を整備。衛星回線と地上回線の2ルートにより、県と市町村、消防本部、県出先事務所、防災関係機関などを結んで構成。電話やファクス機能のほか、警報・注意報などの気象情報や、災害情報の収集・伝達に活用している。
 このネットワークシステムは、先の震災でも、固定電話や携帯電話がつながりにくい中、概ね有効に機能した。しかし近年、老朽化に伴い、ネットワークシステムそのものの機能を維持し続けることが難しくなってきている。
 また機能上も、衛星・地上回線ともアナログ回線で通信速度が遅く、災害現場の映像や多人数の同時通話などの大容量の情報の送受信には耐えられないことや、接続したい防災関係機関の増加に対応できないなどの課題が出てきている。
 このため前年度は、新しい防災情報ネットワークシステムの構築に向け、基本構想を日本工営に委託してまとめた。
 基本構想では、最新の情報通信技術を導入して、できるだけ安価に高性能のシステムを構築することを検討。
 音声や文字、映像などの情報をデジタル化し、高速で大容量の情報を送受信できる光ケーブルには、「いばらきブロードバンドネットワーク」の活用を考え、将来の情報通信技術の進展にも対応できるよう検討を進めた。
 また信頼性の確保に向け、衛星回線と地上回線を共にデジタル化して相互補完させることはもちろん、物理的に一つの回線が被災しても、他の回線で補完可能であったり、停電時の電源確保など、震災経験を踏まえた災害に強いネットワークとすることを検討。
 さらに、ネットワーク構成機関の追加や機能の拡充を検討。例えば、接続する病院を増やし、さらに救急車と新たに接続することにより、救急車から病院への連絡が携帯電話を使わなくてもできるようにすることや、現場可搬型設備の配置、あるいは要援護者などの行政情報や地図情報を扱うシステムとの接続、さらには他の防災関連システムとの連携などについても検討した。
 この基本構想をもとに、本年度から基本・実施設計をまとめる。基本設計では、全体構成はもとより、他システムとの連携機能の検討、無線局免許における総務省との調整などを行う。
 また実施設計では、固定系・移動系システムの整備や電源設備、他システムとの連携機能などを、市町村との協議や現地調査も踏まえて実施する。
 その後、来年度から整備に着手し、2016年度稼働を目指していく。