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日本工業経済新聞社(群馬)
2013/05/07

【群馬】県企業局水道課が新田水道発電所建設へ

 県企業局水道課は本年度、新田水道発電所の新規建設に着手する。発注は土木工事と機器製作据付工事の2分離となり、いずれも条件付き一般競争入札で第2四半期を予定。同課は「秋口に入る前に公告できれば」と話しており、2014年夏の完成を目指す。新発電所は、新田山田水道の浄水池から太田市新田多村新田町の新田受水場までの高低差を利用し、新田受水場付近に埋設されている既設の送水管を分岐させて発電を行う。最大出力は60kWで、年間発電電力量は一般家庭約120軒分に相当する42万kWhを想定。総事業費は約1億3000万円を試算している。

 新田水道発電所の建設計画は、県企業局が太田市とみどり市へ供給している新田山田水道の浄水池から低区送水管の末端にある新田受水場までのH90m以上の高低差を利用するもの。もっとも水圧が高くなる新田受水場付近に埋設されている既設の送水管を分岐させ、これから設置される発電所へと導いて発電後に再び既設の送水管へと合流させる。
 発電計画の諸元だが、最大出力は60kWとし、年間発電電力量については一般家庭120軒相当の42万kWhを見込む。最大使用水量は毎秒0・153立方m、有効落差は54・971mとなる。
 既設の送水管から分岐させる管はダクタイル鋳鉄管で計画しており、φ250〜350oを見込む。同課によると、分岐管は発電機へと導水する直前に高水力を確保するためφ250oの管で絞り、発電後はφ350oの管で既設の送水管へと合流させる。ただ、発電後に供給する新田受水場は高架水槽であるため、ある程度の水圧を残しておかなければならず、それを考慮した水車の仕様が必要になってくるという。そのため、同課では今後メーカー各社へこの条件に合った仕様の水車が製作できるかどうかを聞き取る方針だ。
 発電所の構造自体は地下へRC造の発電機室を設け、水車・発電機を据え付ける。地上部には配電盤室となる建屋を設置するとともに、発電機室のメンテナンスを行うための荷降口を確保する。
 建屋の建設工事については、管渠布設工などの土木工事とともに発注される予定。
 実施設計は昨年度、同課が直営で作成した。
 なお、本年度の当初予算には1億80万円の建設費を計上したほか、14年度の債務負担行為として2730万円を設定している。
 新田山田水道は、一級河川渡良瀬川の高津戸ダム上流の調整池右岸に取水場を設けて取水し、ポンプで浄水場まで導水。浄水池からみどり市の桐原受水場にはポンプで圧送、新田受水場と藪塚受水場へは自然流下で水道用水を供給しており、1日の最大供給量は4万2300立方mとなっている。