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建通新聞社
2013/05/27

【大阪】今夏に攪拌ブロック機種選定 府新規事業で

大阪湾北部から中部の海域に攪拌(かくはん)流発生ブロックを据え付け、魚が育ちやすい環境をつくる「大阪湾広域型漁場環境整備事業」に本年度から着手する大阪府環境農林水産部は、今夏にブロック機種を絞り込む方針だ。
 今後、学識経験者らによる検討委員会を設置し、2〜3機種を選定する。併せて、深浅測量と基本計画・実施設計を開始するため、夏ごろに外注する方向で調整を進めたいとしている。ブロックの製作・据え付け工事は2014年度から順次、発注していく。
 実施想定海域は、岸和田北部、同南部、泉佐野北部、同南部の4地区。約200基のブロックを据え付ける計画で、各地区をさらに2工区に分けて設置する。総整備面積は8f。
 工事は、14年度に岸和田北部、15年度に同南部、16年度に泉佐野北部、17年度に同南部の順に、それぞれブロック製作と設置工事を一括して発注する予定。
 総事業費は約4億2100万円。深浅測量と基本計画・実施設計の委託費に2100万円(12年度2月補正計上)、ブロックの製作・設置工事費に約4億円を見込んでいる。
 攪拌ブロックは、海流の流れを前面で受け、上方へ押し上げた速い流れにより発生した大きな渦と、流れにより海水の上下混合を促すことで、低層に酸素を供給し、栄養塩を拡散させる機能を持つ。
 今回は、岸和田市から泉佐野市の水深約13〜14bの海底に、潮流に沿うように連続してブロックを配置。深浅測量で海底の状況を把握した上で、基本計画と実施設計の作成に着手する。
 入札事務は基本計画・実施設計業務を環境農林水産部、深浅測量とブロック製作・据え付け工事を港湾局が行う。
 攪拌ブロックの効果は、08年に瀬戸内海で香川大学による実証実験で確認。ブロックのほか、覆砂など他の手法を複数利用しての魚礁改善の実績は兵庫県であるが、ブロックだけを使っての取り組みは全国初となる。水産資源と漁獲量の増大も狙いの一つだ。