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建通新聞社
2013/07/25

【大阪】8月にプロポ公告 赤れんが倉庫集客拠点化

大阪市港湾局は、もと赤れんが倉庫の活用に向けた公募条件がほぼまとまり、8月にも民間事業者から提案を求める公募型プロポーザルを公告する。事業者は12月ごろに決定する予定。
 公募条件は外部有識者による築港赤れんが倉庫施設活用会議で検討。対象施設はれんが造2階建ての200号倉庫東・西棟の2棟(4500平方b)と平屋の300号倉庫東・西棟の2棟(2700平方b)の4棟からなっている。敷地面積は9500平方b。
 いずれも耐震性能が不足しており、建物として利用するには耐震補強が不可欠で、工事費約2億円を概算。有識者会議では、期待できる収益で補強費用を回収することは極めて困難と結論付けた。
 今回の公募では、赤れんが倉庫の景観としての外観を保存することを条件に設定。建築物としての再活用にはこだわらず建物全体の耐震補強は義務付けないもよう。
 外観は、景観としての空間構成を踏襲し、隣接する道路、広場から見える範囲の外壁について保存を義務付ける。一方、内観は雰囲気を踏襲し、柱などの部材を意匠として積極的に活用することなどを公募条件とする。
 土地は市所有として、20〜30年の定期借地を設定。普通財産として貸し付ける。建物は現状有姿で引き渡す。
 事業提案は▽事業コンセプト▽事業計画(集客性、景観、地域貢献)▽倉庫の保存と継承−の3点から求め、築港赤れんが倉庫施設活用会議で提案内容を審査する。その後、優秀提案者を対象に価格審査を行い、事業予定者を決定する。
 もと赤れんが倉庫は1923年(大正12年)に完成し、99年に住友倉庫から大阪市に移管された施設。場所は大阪市港区海岸通2丁目。大正時代に建設された数少ないれんが建築で、2002年度から05年度までは文化活動事業などで使用していたが、耐震性が不十分だと診断されたため、06年度から立ち入りを禁止していた。今後は、歴史ある港風情を生かした集客拠点としての活用を目指す。