トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(静岡)
2013/07/29

【静岡】国交省静岡河川 安倍川総合土砂管理計画を策定

 国土交通省静岡河川事務所は、安倍川の流砂系(河川上流から海岸領域まで土砂が動く全体の範囲)を総合的見地から管理する「安倍川総合土砂管理計画」を策定した。直轄の河川での計画策定は全国初。計画では、中・下流域で上流からの土砂流出により河床が上昇し、流下能力が不足するとともに局所的な洗掘が発生していることなどから、澪筋(みおすじ)の中央への誘導のため当面は年間20万立方b以内で河道掘削していく。
 安倍川の流砂系は、安倍川流域、静岡・清水海岸から構成される。これまで上流域では流出土砂に対する土砂災害対策、中下流域では治水対策、沿岸域では海浜の越波・高潮対策をそれぞれ行ってきたが、今回、流砂系全体を見据えた総合的な見地から整備計画、管理計画を策定。「可能な限り自然状態に近い土砂動態」を目指し、主要地点の土砂移動量で示した土砂管理目標を設定した。この目標値をクリアしている中で、河川環境を維持し、海岸への安定的な土砂移動をコントロールする。
 このため、上流の山地河川では砂防堰堤の維持管理、河床低下箇所の回復を図り、中・下流河川では当面、年間20万立方b以内の河道掘削(平均的な降雨量が続いた場合は13年間を見込む)、その後維持掘削を実施する。この他、堤防防護、河岸防護のための対策を行う。海岸(静岡・清水海岸)では、養浜の実施、景観にも配慮した海岸保全施設(離岸堤、突堤)の整備などを盛り込んだ。
 今後も土砂の態動などを常に観察、解明しながらメニューの見直しなどを行っていくため、5年に1回、モニタリング委員会を開く。
 安倍川は、急流河川で地質がもろいため、土砂が流れ込みやすく、大雨などでは河床に大量の土砂がたまる。また、上流では1707年の大谷崩れの土砂流出がいまだ収まらず、1966年には土石流災害なども起こっている。
 一方で、高度経済成長期にインフラ整備などの骨材として砂利採集が活発だったこともあり、三保をはじめとする海岸線の浸食などを引き起こしたため、66年には採集規制が設けられた。その後、河床高が高水敷まで達したため、流下能力確保と偏流対策として2004年度から直轄管理区間の砂利採取を再開。12年度は18万立方bを掘削した。また、静岡・清水海岸では安倍川からの土砂供給と静岡県の海岸保全対策により砂浜の回復が進んでいる。
(2013/7/30)

建通新聞社 静岡支社