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建通新聞社(神奈川)
2013/08/08

【神奈川】UR平塚高村団地 「高齢者向け住宅導入を検討」 既存住宅を活用した「サ高住」実現の可能性を調査

 UR都市機構神奈川地域支社は、UR賃貸住宅団地を活用した高齢者向け住宅の導入検討を進める。対象は平塚高村団地(平塚市高村)で、検討業務を総合評価方式で委託する。業務の中では、対象住棟での住戸内改修、共用部と消防設備など、ハード面での条件整理を実施。既存住戸を活用したサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の導入実現を探るための基礎資料とする。入札参加申請書の受け付けは8月19日まで。入札日は10月4日。
 平塚高村団地は管理戸数717戸で1976年に管理を始めた。団地がある旭南地区と隣接する旭北地区は市内でも特に高齢者が多い地区。さらに、団地内と周辺には高齢者福祉施設医療などが多数立地し、団地を中心とした「地域包括ケアシステム」構築の可能性を秘めているという。
 検討対象の住棟(3棟)は、片廊下型で各階停止のエレベーターが設置され、バリアフリーの観点から見ても有効活用の可能性が高い。また、空家となっている部分を廉価なサービス付き高齢者向け住宅などとして活用することで、地域の高齢者福祉にも貢献できるとしている。
 UR神奈川地域支社によると、「UR団地を活用した高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づく、サ高住の提供の実績はない」ものの、「奈良北団地(横浜市青葉区)のように、いわるゆるUR版の高齢者向け住宅として、民間事業者(募集済み)による見守りや生活相談サービスなどに取り組もうと準備している事例がある」という。今後、さまざまなメニューを想定しつつ、地元自治体などの関係者とともに協議・検討を進める方針でいる。
 検討業務の参加資格は、建設コンサルタト等業務の「調査」の資格認定者で、類似業務の実績や技術者配置などを参加資格の要件に設けている。履行期間は契約日から2014年3月14日まで。
 URでは、有識者の「超高齢社会における住まい・コミュニティのあり方検討会」が示した中間取りまとめ(8月6日公表)に基づき、UR団地を活用した医療や介護、予防、住まい、生活支援サービスが一体的に提供される地域包括ケアシステムの実現を目指している。今回の平塚高村団地での検討はこれとは直接リンクしていない。ただ、今後検討会での提言を踏まえ、UR団地を活用した超高齢化社会に対応した取り組みが進む見通しだ。
 平塚高村団地の検討対象住棟の概要は次の通り。
 ▽13号棟(47戸)―主な間取り3K―3C・54平方b。高層8階建て片廊下型EV付き・1階に地域包括支援センター・居宅介護事業所あり
 ▽14号棟(16戸)―主な間取り3K―3C・54平方b。中層5階建て片廊下型(EVは12 ・13 号棟と共用)
 ▽15号棟(60戸)―主な間取り2DK―2A・45平方b。高層8階建て片廊下型EV付・1階に内科診療所・歯医院あり