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建通新聞社(神奈川)
2013/08/20

【神奈川】高座清掃施設組合 ごみ処理施設更新事業 施設整備基本計画をまとめる 事業事業方式は、公設民営方式(DBO方式)

 高座清掃施設組合(海老名市本郷1ノ1)は、ごみ処理施設更新事業で、施設整備基本計画をまとめた。事業方式は、公設民営方式(DBO方式)を採用する方針。建設費は125億円余を概算する。現在、「ごみ処理施設更新事業者選定等支援業務」の委託先を公募型プロポーザルで選定中(20日号に既報)。支援企業決定後、基本設計の委託先選定を公告する。新たなごみ処理施設を建設・運営する民間事業者の公募は、2014年度早々を予定。同年度末までに事業者を決定する。詳細設計は、決定事業者が行い、15年12月ごろに着工。19年2月ごろに(試運転は18年11月)完成し、19年4月に本格稼働する計画だ。
 高座清掃施設組合は、海老名市、座間市、綾瀬市で構成する一部事務組合。三市から排出される一般廃棄物の処理を、1984年3月に竣工した焼却施設(処理能力は日量150d)と、92年3月に竣工した焼却施設(処理能力は日量200d)、74年3月に竣工した粗大ごみ処理施設(処理能力は日量50d)で行っている。それぞれの施設の老朽化が著しいため、全面的に改築することとし、検討を進めてきた。建設予定地は、海老名市本郷1ノ1。面積は約1・59ha。
 基本計画によると、施設整備の基本コンセプトは、@地元住民に安心してもらえるA循環型社会に配慮B周辺環境と調和C環境に十分配慮(処理性能に優れる)D地域に開かれたE経済性に優れたF防災の拠点となる−施設。地域に開かれた施設として、プラザ棟(仮称)の設置を基本設計の段階で検討する。予定地内に貯留容量約3600立方bの防災調整池を配置する。
 更新施設の計画年間処理量は、高効率ごみ発電施設が日量245d。マテリアルリサイクル施設が日量14d。ごみピットは2炉で、計画容量約1万1000立方b。洪水による浸水防止対策として、建設予定位置の地盤高さを最大2b嵩上げし、浸水も想定した施設とする。
 防災の拠点として、避難所機能、備蓄機能、衛生設備を備える。また、エネルギーセンターとして、可燃ごみ処理施設から避難所などへの電力・温水の供給システムや、高効率発電(蓄電)、太陽光発電、非常用発電機の設置を見込む。
 高効率ごみ発電施設の主要設備の基本仕様は、計量機が4点支持のロードセル式。ごみの投入扉は4基以上を設置。ごみの供給方法はピットアンドクレーン方式で、計画容量は約1万1000立方b。ごみクレーンは、天井クレーン方式2基。燃焼設備は、@ストーカ式焼却炉Aシャフト式ガス化溶融炉B流動床式ガス化溶融炉−から選定する。排ガス冷却設備は全ボイラ方式。排ガス処理設備はろ過式集じん器、乾式有害ガス除去装置、無触媒または触媒脱硝装置。余熱利用設備の余剰電力は売電する。通風設備は平衡通風方式。灰出し設備はピットアンドクレーン・バンカ方式。電気設備は特別高圧受電または高圧受電、発電設備など。
 マテリアルリサイクル施設では、不燃ごみと粗大ごみを破砕処理し、金属などの有価物を回収する。主要設備などの仕様は一般的な内容で、詳細な仕様については今後検討するとしている。
 事業方式に予定するDBO方式は、公共所有の下で新たに整備する施設の整備と、長期包括責任委託による維持管理、運転、点検、全体的な計画統制を一括発注・契約する方式。公共が資金調達し、民間企業は施設の設計・建設、維持管理を一括して行う。東京都三多摩地域廃棄物広域処分組合の多摩地域廃棄物エコセメント化施設整備運営事業などがこの方式。
 DBO方式による建設費は総額約125億8750万円を概算。内訳は、造成費約3億8000万円。建設(建築)費約122億07500万円(焼却施設約111億9100万円、粗大ごみ処理施設約10億1650万円)。
 基本設計の委託先や、新施設を建設・運営する民間事業者の選定は、総合評価落札方式を採用する予定だ。