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建通新聞社四国
2013/08/27

【徳島】吉野川渡河部橋梁の形式を年度末に

 四国横断自動車道徳島ジャンクション(JCT)〜徳島東インターチェンジ(IC)間の早期整備を目指す西日本高速道路四国支社は、吉野川渡河部の橋梁について、形式を2013年度末までに固め、14年度から詳細設計を進める考えだ。22日に徳島市内で開催した吉野川渡河部の環境保全に関する検討会(座長・山中英生徳島大学院教授)の初会合の場(写真)で明らかにした。ただし、検討会の委員から「スケジュールに無理がある」など、議論に十分な時間が必要といった意見が相次ぎ、形式の決定は先行き不透明な様相を呈している。
 徳島JCT〜徳島IC間4・3`は、1996年度に事業化。目標として2019年度の開通を掲げ、15年度着工を目指して、これまでに協議用図面作成などが進められており、国など関係機関との協議、地元との設計協議を経て、各構造物の設計などに移行する時期にきている。
 同区間は海岸に近い理由もあり、これまで南海トラフ巨大地震時の6・7bとされた津波高の想定や浸水深の数値などを反映させながら、ルートや道路の形式などの選定を進めてきた。なかでも吉野川渡河部の橋梁については、十分な環境配慮が求められることから、今後、識者を交え、形式について検討を進めることにしていた。渡河部の橋梁は約1・8`。大半が海に面しており、1つ上流の県道橋(阿波しらさぎ大橋)と同様に干潟などに生息する希少種や飛来する渡り鳥など河口周辺への環境面に十分配慮する必要があるほか、海側への配慮も必要なら求められることになる。
 22日の検討会で事業者の西日本高速道路は、形式の検討に向けた当面のスケジュールを提案。環境保全に配慮した道路構造の検討方針を整理する「環境部会」(部会長・中野晋徳島大学院教授)と、同部会から提示された検討方針を踏まえ、渡河部の橋梁形式や施工計画を検討する「橋梁部会」(部会長・成行義文徳島大学院教授)をそれぞれ9〜10月に開き、年内に開催される次回検討会で原案を提示、14年3月の第3回会合で形式を決定するとした。
 この提案を受けて委員からは、タイトすぎるスケジュールに異論が相次いだが、同社は、先行事例として阿波しらさぎ大橋の取り組みを紹介しながら「今後十分な資料を示すなどし、早く進められるよう努力したい」として理解を求めた。
 もちろん、これまでに同橋梁の検討(計画設計)については、同区間内の徳島JCTランプ橋や宮島江湖川橋の橋梁一般図作成も含め、ドーユー大地(広島市)が、協議用図面の作成は大日コンサルタント(大阪市)がそれぞれ進めるなど、ある程度準備は進めれているもよう。今後、同社では各部会から示される意見などを速やかに反映させながら、複数案の形式を作成していく見通しだ。