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建通新聞社四国
2013/08/30

【香川】南海地震で被害建物は3万5千棟

 香川県は28日、地震津波想定(第二次公表)案を第7回の「香川県地震・津波被害想定調査委員会」に示し、了承を得た。2次公表は震度分布や津波被害想定などを内容とする1次公表を基に、地震発生直後の人的・物的被害を推計したもの。南海トラフ最大クラスの地震が発生した場合、最大で県内の建物被害(全壊・消失棟数)は3万5000棟、死者6200人、負傷者1万9000人。ライフラインで上水道被害(断水人口)76万3000人、電力(停電件数)58万7000軒、避難者数は冬深夜で19万9000人―などとし、直接経済被害額は冬の18時想定で3兆4000億円に上るとした。しかし、全ての建物の耐震化▽家具類の転倒・落下防止対策▽津波避難の迅速化―の防災・減災対策の着実な実施により被害を軽減できる効果も示した。
 地震・津波被害想定(第2次公表)で、対象にした地震は@南海トラフの最大クラスの地震A中央構造線(讃岐山脈南縁〜石鎚山脈北縁東部)B長尾断層の地震―の3地震とし、第1次公表で対象にした「南海トラフの発生頻度の高い地震(L1)」は国が新たなモデルを公表する動きがあることから外した。
 また、建物被害と人的被害について季節・時間帯の設定で@冬深夜A夏12時B冬18時―の3シーンを設定。最大の被害となる冬18時の被害想定で南海トラフの最大クラス以外に、中央構造線で建物被害3万棟、死者1400人、負傷者1万2000人、ライフライン被害の上水道(断水)62万2000人、電力6万5000人、直接経済被害2兆1300億円と想定。長尾断層地震では建物2000棟、死者40人、負傷者1300人、ライフライン被害の上水道20万5000人、電力15万3000軒、直接経済被害額3700億円と推計した。
 県は防災・減災対策による南海トラフの最大クラスの地震による被害想定の軽減も評価。県内の住宅の耐震化率は約76%(11年10月現在)。旧耐震基準の建物の建て替えや耐震化により全ての建物の耐震性が強化されると、全壊棟数は約11分の1、死者数も約15分の1に軽減できるとした。また、直接経済被害額も約2分の1に軽減されるなどとした。