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建通新聞社四国
2013/09/20

【香川】21年連続下落

 2013年の香川県地価調査概要が明らかになった。県全体の対前年平均変動率(以下、平均変動率)は、全用途平均マイナス4・2%で前年より下落率は縮小したものの、21年連続の下落。このうち住宅地はマイナス3・9%で21年連続、商業地はマイナス4・9%で22年連続で下落した。市町ごとの平均変動率も全市町で住宅地、商業地、全用途平均のいずれも下落。価格上位基準地は住宅地、商業地の上位3位とも12年の調査時と全て変動はなく、住宅地は高松(県)―36(高松市番町4ノ11ノ19)、1平方b当たり21万9000円、商業地では高松(県)5―11(高松市磨屋町2ノ6外、リーフスクエア高松ビル)(写真)、1平方b当たり39万7000円が最高価格。
 地価調査はことしで40回目。国が行う地価公示と併せて、一般の土地取引価格に対し指標を示すとともに、公共事業用地の取引価格算定の基準になる。基準地の標準価格は、ことし7月1日時点の県下8市9町182地点の1平方b当たりの正常な価格を調査した。
 地価で上昇した地点はなく、前年度からの継続地点178地点のうち、価格変動のない(横ばい)地点は6地点のみ。同地点以外の172地点での価格は下落した。高松市内では郊外部の香川大学工学部周辺で、価格が横ばいに推移した。
 また、下落率が拡大した基準地は、住宅地で▽高松市牟礼町牟礼宮北2081ノ2(マイナス6・9%)▽さぬき市津田町津田南上所820ノ4(マイナス6・6%)▽善通寺市金蔵寺町本村632ノ11(マイナス6・4%)。商業地で見ると▽坂出市京町1ノ3793ノ18外(マイナス7・1%)▽丸亀市葭町9ノ1(マイナス6・9%)▽坂出市本町3ノ1716(マイナス6・8%)―など住宅地と商業地を合わせて計11地点。前年の55地点よりは減少した。
 市町別に見ると、高松市の全用途平均変動率はマイナス4・1%。前年のマイナス5・5%より下落率が縮小したものの、22年連続で下落。
 住宅地の平均変動率で下落率の大きいのは多度津町(マイナス5・8%)で、さぬき市(マイナス5・4%)、東かがわ市(マイナス5・3%)、善通寺市(マイナス5・2%)と続く。
 商業地は、坂出市と観音寺市(マイナス6・7%)の下落率が大きく、東かがわ市(マイナス5・9%)、善通寺市(マイナス5・4%)がこれに続いている。県内で相次ぐコンビニや大型店舗出店も地価の底上げにはつながっていない。
 今回の地価調査結果で香川県地価調査香川分科会代表幹事で不動産鑑定士の名渕薫氏は、住宅地について「人口減少など構造的な要因などから、依然、住宅取得意欲は減退したまま。需要は回復していないが、値頃感などから下落幅は縮小傾向」と分析。「高松市郊外部は、利便性の高い新興住宅地の一部で地区内人口の増加とともに需要が堅調。地価の底入れ感も出てきている」とした。
 商業地については「既存商業地の衰退傾向が続き需要は減少。高松市中心部の中央通りはオフィス空室率が高止まりし、賃料は下落傾向でテナント需要が依然弱い。需給ギャップも改善されず、不動産市況は依然低調に推移している」と分析する。