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建通新聞社四国
2013/10/15

【香川】上半期倒産状況、前年比で減少

 2013年度上半期の香川県の倒産状況が出揃った。帝国データバンク(TDB)高松支店と東京商工リサーチ(TSR)高松支社まとめの上半期の倒産状況によると、件数、負債総額ともに前年同期比で減少した。ほぼ全国レベルで景気回復は進んでいるものの、14年4月からの消費税率引き上げによる駆け込み需要の拡大局面で、中小企業の資金繰りから倒産リスクが高まる影響も懸念される。
 TDBまとめの上半期香川県内倒産状況(負債額1000万円以上、法的整理による倒産)によると、倒産件数は22件、前年同期比8・3%減で上半期としては2年連続の減少となった。負債総額は33億2600万円で前年同期に比べ65・7%減で5半期ぶりに50億円を下回った。
 TSR調べの香川地区上半期倒産状況(負債総額1000万円以上、内整理含む)では、倒産件数は24件(前年同期比35・1%減)、負債総額は26億6000万円(同比75・3%減)でいずれも過去10年間で最小を記録した。
 業種別で見ると、TDB、TSRの調査ともに建設業は5件と依然高い水準。負債総額はTSRの調べでは建設業が9億1500万円とトップだった。
 県内では前年上半期に10億円以上の大型倒産が3件発生し、全体の負債総額を押し上げたが、本年度は負債総額10億円以上の大型倒産はなく、建設業で宮本建設(高松市、土木工事、負債総額6億円)が最大。「倒産の小型化が顕著に表れ、沈静傾向も続いている」(TSR)としている。
 TDBの9月景気動向調査によると、香川県の景気DIは不動産、サービスなどがリードし、前月比1・8ポイント増の46・4と3カ月連続で改善した。消費税率引き上げ後の影響では6カ月後、1年後の先行き見通しは厳しくなる、と考える企業が増えている。
 香川県内は大手を中心に業績が好転している企業は少なくないものの、多くの中小・零細企業は円安による原材料や光熱費のコストアップが先行し「景況回復の実感にしばらく時間が掛かる」(TSR)、住宅は本年度末まで駆け込み需要が本格化するなど内需拡大がさらに加速。公共投資の本格化などで建設業界は、持ち直しの動きが続いているものの、原材料高と人手不足の深刻な状況により「企業は適正な利益の伴わない需要拡大への対応に追われている」(TDB)と分析。
 中小企業金融円滑化法終了後6カ月が経過したが、資金繰りの厳しい中小企業の支援は継続し、倒産の急増は回避。消費税率引き上げ前の駆け込み需要が拡大する局面で、「財務内容の傷ついた資金繰りに余裕のない中小企業の倒産リスクは高まる」(TDB)、「経営再建のおぼつかない企業は、増税前の駆け込み需要や年末の繁忙期の資金調達で課題を抱え、企業倒産が緩やかに増勢をたどる可能性もある」(TSR)と今後の見通しを示した。