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建通新聞社四国
2013/10/18

【香川】高齢者のトリップ数著しく増加

 第3回高松広域都市圏総合都市交通体系調査委員会(委員長・土井健司大阪大学大学院教授)が11日、県庁内で開かれ(写真)、前回調査より高齢者層のトリップ数の著しい増加傾向や、徒歩に比べ自動車分担率が増加した同都市圏のパーソントリップ調査の結果が事務局の香川県から示された。
 今回の委員会では、調査集計から現状の課題を明確化したため、次回以降の会合で都市構造変革のシナリオの検討や、そのための課題を整理し戦略案を練る。2014年度は戦略案を検証しつつ、香川県総合都市交通計画「都市・交通の統合戦略」の策定につなげる。
 県内8市6町の住民基本台帳から無作為抽出した約13万世帯の5歳以上(10月1日現在)を対象に、昨年10月から11月の1日の外出行動について「出発地・目的地」、「移動時刻」、「目的」「交通手段」などを調査。人の移動実態を把握した。前回の1963年調査から12年調査を比較し、特性を分析した。
 パーソントリップ調査から整理した現況分析を踏まえ、将来の問題点として都市圏特性で▽平地部における農地から建物用地への転用が進行するなど人口・都市圏の郊外化が進行し、多核分散型に移行▽高齢化社会の進行により都市圏全体で高齢化率が増加―を挙げた。また、交通施設特性で▽道路のサービス水準が交通容量の増加や道路網密度の高密度化の一方で、公共交通サービスはやや低下するなどとした。
 このことから、公共交通利用者数が減少し高齢者が関与する交通事故は増加。中心市街地の衰退で、さらなる自動車依存やトリップ長の拡大、各種サービスの悪化により、このままだと住みづらい都市になるとの問題も指摘した。
 集約型都市構造を支え、県外などとの広域的交流や観光活動を支える交通体系を構築するために、▽都市機能が集積し魅力ある集約拠点の形成▽代表交通と端末交通の乗継利便性向上▽自動車に過度に依存しない交通体系の構築▽高齢者や移動困難者などの移動手段で外出支援の公共交通の利便性の向上▽拠点間をつなぐ公共交通軸の強化―などを挙げた。
※トリップ数―人がある目的を持ってある地点からある地点までを移動する単位。