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日本工業経済新聞社(茨城)
2013/10/26

【茨城】県議会予算特別委 国の多様な入札制度 有効な方式の採用検討

 10月定例県議会が大詰めを迎えた23日に予算特別委員会が開かれ、八島功男氏が「建設業振興と入札制度の検討」をテーマに県政運営をただした。その中で立藏義明県土木部長は、国が来年度から導入を検討する多様な入札制度について、国と県とで事業規模の違いや地元建設業者の負担の程度で導入に伴うメリットデメリットがあることを強調した後、「引き続き国の検討状況を注視し、本県にとって有効な方式の採用を検討してまいりたい」と答えた。
 八島氏は、まず公共事業の設計労務単価、社会保険加入、低入札価格調査基準価格の現状を求めた。
 立藏部長は、4月1日以降に契約した工事から、前年度比約18%の新労務単価を適用したことに触れた後、「土木部発注工事で労務費に関する入札不調は見受けられず、また業界団体からも労務単価に関する要望はない。今後、労務費の著しい高騰が見られた場合は、国と連携して迅速に対応したい」と説明。
 社会保険加入については、加入義務をBランクまで拡大したことや、国と歩調を合わせ文書などによる加入指導を行っていることなどに触れ、「国は平成28年度までに100%を目標としていることから、県も関係機関や業界団体と連携して未加入業者への加入指導を徹底する」と述べた。
 また低入札価格調査基準価格について、6月1日から引き上げたことを述べながら、「ダンピング防止が図られ、より一層、適正価格での受注が進むと期待している」と答えた。
 続いて八島氏が、建設業就業者の減少への対策として、新規雇用計画の総合評価への反映について説明を求めると、立藏部長は、若年労働者を雇用した企業への加点を手厚くしたことや、格付けでも加点項目を設けた取り組みを説明。「このような入札制度の一部改定を通じ、若年労働者や高い技術力を持つ技術者の建設業への雇用促進を図っている」と答えた。
 若年労働者の採用については、地域の安全安心を確保する観点から「若年労働者の確保は非常に重要」とした後、引き続き経営健全化を支援するとともに、建設産業の振興に努める考えを強調。
 ただ建設業界においても「雇用環境などの改善を積極的に進め、若年労働者にとって魅力ある業界となるよう、これまで以上の取り組みに期待している」と、さらなる対応を求めた。
 さらに八島氏は、国交省が来年度からの導入を目指し検討している新たな入札契約制度をテーマに挙げた。多様な入札制度の体系として、技術提案競争・交渉方式、複数工種・工区一括契約、オープンブック方式を例に挙げ、それらに対する県の取り組み方針を求めた。
 立藏部長は「技術提案競争交渉方式のように大手ゼネコンを対象とする技術的難易度が極めて高いものに限定されるものや、オープンブック方式では、下請業者へのしわ寄せ防止が図られる一方、受発注者の事務負担が大きくなるなどデメリットもある」と述べ、国と県とで事業規模の違いや、地元建設業者の負担の程度で導入に伴うメリットデメリットがあることを強調。「引き続き国の検討状況を注視し、本県にとって有効な方式の採用を検討してまいりたい」と答えた。