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日本工業経済新聞社(群馬)
2013/11/20

【群馬】前橋水質浄化センター 再構築で現状把握 前橋市

 前橋市は、六供町地内にある前橋水質浄化センターの再整備を計画している。本年度は、施設の現状把握を行うための基本計画業務を22日に指名競争入札で委託し、年度内の調査完了を予定している。業務内容は、既存施設の能力を把握するためのもので、将来的に改築するのか、耐震補強で対応するのかを判断する材料とする。再整備へ向けては今回の業務を第1段階とし、今後も調査設計などを行い、具体的な方針を決定していく。

 前橋水質浄化センターは、1系列から3系列まで整備された公共下水道処理施設。敷地内には公共下水施設のほかに、旧町村合併地区の浄化槽汚泥を処理している「し尿浄化槽汚泥処理施設」「し尿処理施設」が稼働しているほか、新たに雨天時貯留沈殿池、汚泥炭化施設の建設が進められている。
 本年度の調査業務は、既存施設の現状把握がメーン。本年度作成する調査業務を経て、計画の方向性を定める第2段階へと進む。第2段階では、改築、更新などの両面から費用対効果を検討し、敷地内の配置など、具体的な方向性を決定する。これを経て第3段階の詳細設計着手という流れで進める。ただ、現段階において、計画の実施時期などは未定。
 再整備の対象は、公共下水道処理施設の一連と、管理事務所、水質試験室。処理施設は1系列から3系列まであり、すべて稼働しているが、建設年が最も古いもので1系列は1963年に運転開始し、稼働から50年が経過している。このため施設の老朽化は著しく進行し、耐震能力にも不安がある状況。
 同センターは、63年の稼働以来、処理区域の拡大などにより73年に2系列、80年に3系列を増設し、現在では、処理区域面積1154haで、毎日8万4200立方mの処理能力を有する施設。
 主な水処理施設は、沈砂池、最初沈殿池、エアレーションタンク、最終沈殿池、塩素混和池などがあり、これらを経由して浄化後の水を利根川へ放流している。また、水処理の途中でそれぞれ溜まる固形物は、汚泥管路を通って、汚泥ポンプ室、汚泥濃縮槽、汚泥脱水棟、汚泥搬出ホッパーへ搬送されている。将来的には、現在建設中の汚泥炭化施設での焼却処分も開始される。
 なお、同計画は、第6次前橋市総合計画改訂版の後期実施計画(2013年度〜17年度)でも「第3節・暮らしに大切なライフラインを強化します」に位置付けられている。そこには、汚水を適正な水質へ浄化・処理するため、水質浄化・処理施設の維持・更新を図るとし、5年間の中で同センターの改築・更新へ向けた調査設計に着手すると目標が定められてある。