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福島建設工業新聞社
2013/12/05

【福島】請戸川水利施設/直轄で段階復旧実施へ/ダム、左岸幹線から

 地震で損壊した大柿ダム(浪江町)など請戸川地区水利施設の直轄災害復旧実施が固まった。復旧事業実施のための財務省協議が整い、東北農政局が年度内に準備工事に入る。復旧は段階的に実施。「ステップ1」として、国営造成の大柿ダムと請戸左岸幹線用水路に加え、県営事業で建設した付帯用水路5路線を、28年度までの期間で先行復旧させる。避難指示区域の再編状況を見ながら順次、復旧事業の範囲を拡大していく。
 「福島特別直轄災害復旧事業・請戸川地区」として実施する。特措法に基づき、県営造成施設を含めた直轄災害復旧の実施を視野に、東北農政局が24年度から被災状況の調査や復旧計画の作成を進めてきた。
 復旧事業は避難指示解除準備区域から段階的に行う。「ステップ1」(25〜28年度)で、基幹施設の大柿ダムと、同ダムから南相馬側に向かう請戸左岸幹線用水路を復旧。特措法に基づく県の要請により、県営付帯事業の@小高A柿ノ木下B犬塚C四ツ栗D小屋木│の各支川用水路復旧も合わせて、直轄で実施する。ステップ1では事業費約41億円を見込んでいる。
 ステップ1では用水路の復旧を先行させる。26年度早々にも工事が発注になる見通しだ。
 堤体天端に亀裂が確認された大柿ダムの復旧では、コア部分の置き換えが必要と見ている。土質試験などの詳細調査を実施しており、ダム技術の学識者で構成する局のダム委員会に諮りながら、具体的な復旧手法を固めていく。ダム委員会は今月中に2回目の会合を開く予定だ。
 26年度からの復旧事業本格化に備え、今年度は準備工として、ダムのロック材等の資材置き場になる仮設ヤードを造成する。月内にも発注手続きを開始し、年度内に完了させる。
 大柿ダムは、旧事業の基幹施設として造成。堤高84・5b、堤長262b、堤体積175万6000立方bの中心コア型ロックフィル形式。