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建通新聞社(静岡)
2014/01/08

【静岡】新春インタビュー 長島郁夫県交通基盤部部長

 新しい年が明け、静岡県庁も6日から仕事がスタートした。昨年末には国土交通省の2014年度関係予算案が発表され、公共事業費は実質2・3%増。中でも防災・安全交付金には3・6%増の1兆0840億円が計上された。静岡県でも14年度の当初予算編成作業が進む。交通基盤部所管事業も、地震・津波対策を中心に、建設産業界の担い手確保などハード・ソフト両面で取り組むメニューは多い。そこで、長島郁夫交通基盤部長にことしの主要事業などについて聞いた。
 −新年に当たっての抱負は。
 ことし4月から県の総合計画「富国有徳の理想郷”ふじのくに”のグランドデザイン」後期アクションプランがスタートします。
 交通基盤部では、総合計画の目標とする「県民幸福度」の最大化の実現に向け、その礎となる道路や河川、港湾、公園、農地、森林などの社会資本の整備について、ハード・ソフト一体となった対策や、協働へのさらなる取り組みなど、さまざまな対策を講じて、重点的かつ効率的に推進していきます。
 −最優先となる地震・津波対策への取り組みの内容は。
 南海トラフ巨大地震などの大規模災害に備えた地震・津波対策は、県政の最重要課題であるため、最優先で取り組む必要があると考えています。
 昨年策定した「第4次地震被害想定」と「地震・津波対策アクションプログラム2013」に基づき、防潮堤や水門などの津波対策施設の整備や、津波が堤防を越えても粘り強く効果を発揮できるような施設の補強などを県内全域で進めていきます。また、既存の防災林や砂丘、道路などの嵩上や補強などによる安全度の向上策「静岡モデル」の実現に向けて、関係市町と連携して取り組みます。
 さらに、道路の地震対策としては、緊急輸送路で道路の斜面対策が必要な箇所の整備を進めるとともに、橋梁の耐震補強や県管理道路に隣接する「道の駅」の防災拠点化についても、引き続き推進します。
 −建設産業の担い手確保については。
 建設産業は、長引く景気の低迷などによる建設投資の大幅な減少を背景とした受注競争の激化により、経営環境の悪化や労働環境へのしわ寄せによる若年者の入職の減少など、厳しい状況に直面しており、地域の建設産業が担ってきた災害対応などの機能の低下も懸念されています。
 このため県では、こうした課題への対応として、労働環境を悪化させている要因である社会保険未加入への対策に重点的に取り組んでいるところです。具体的には、建設業の許可申請や公共工事への入札参加に必要な経営事項審査で、社会保険の未加入企業に対する指導を行い、4カ月以内に加入が確認できない企業については、日本年金機構などへの通報を行っており、12年7月からは、経営事項審査における減点を拡大しています。
 また、県が発注する建設工事では、公共工事設計労務単価を昨年4月に引き上げるなど、必要な社会保険加入経費を予定価格に適切に反映させるとともに、発注後に施工体制を確認する際においても、下請業者も含めた社会保険の加入について指導しています。
 県としては、今後も建設業界と連携し、現場で働く労働者の就業環境の向上や建設産業を担う人材の確保が促進されるよう環境の整備に努めていきます。
(2014/1/8)

建通新聞社 静岡支社