トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

日本工業経済新聞社(群馬)
2014/02/04

【群馬】群馬県の新年度予算案公共事業費は837億円

 大澤正明知事は4日、新年度当初予算案を発表した。一般会計の公共事業費には837億円(補助247億円、単独590億円)を計上、当初予算ベースでは前年度の807億円から3・7%増加した。大澤知事は公共事業費について「7つの交通軸を中心とする道路網など社会基盤整備を引き続き計画的に進める必要がある。地方財政計画(+3・1%)を上回る3・7%増、837億円とした」と説明。引き続き7軸整備を強力に推し進めていく方針。

 一般会計総額は6815億8700万円で、大澤県政では最大規模。前年度比では2・3%増となり、これも大澤県政最大の伸びを示す積極型予算編成となり、『景気回復・成長予算』と位置付けた。大澤知事は「速いテンポでの円安が影響し、自動車関連産業を中心にいい傾向が見られた。ただ、円安により厳しい業界もある。県内すみずみまで元気になってくれるように思っている。群馬が元気にはばたけるようしっかりと取り組んでいく」と新年度予算についての思いを述べた。
 注目のコンベンション施設整備には9億3340万円を計上。PPPによる施設整備を推進していく方向で調整しており、民間コンサルタントへのアドバイザリー業務委託費などを盛り込んだ。専門家から助言を受けて施設整備推進を図る。用地整備推進費には8億9900万円を盛り込み、民有地の買収を進めるほか、埋蔵文化財調査も実施する。コンベンション施設整備について大澤知事は、コンベンション施設整備室を課に昇格させることを踏まえ「北陸新幹線が金沢まで延伸することで、群馬は新幹線の結節点となるなど交通ポテンシャルは非常に高まっている。少子高齢化が避けられない中、交流人口を増やしていかなければならない。今までの発想を思い切って転換することが、群馬の飛躍につながる」と意気込んだ。
 本体工事が公告されている八ッ場ダム関連事業費には、関連負担金や生活再建に向けた取り組み、付け替え道路などの社会基盤整備など、75億3775万6000円を盛り込んだ。地元住民の現地生活再建に向け、基幹施設や産業基盤などの整備を進めるとともに、生活の安定と福祉向上のため、水源地域対策の促進を図っていく。大澤知事は「生活再建ができる環境にはまだない。一応前を向ける状況だが、県としてもしっかりと応援するというメッセージを込めて重点施策に位置付けた」と述べるとともに「(太田昭宏国土交通相には)もしまだ見ておられないようなら今の状態をぜひ見ていただき、実感してほしい」と現地視察を要望した。
 新年度から導入される『ぐんま緑の県民税』の基金を活用する『ぐんま緑の県民基金事業』には6億2244万6000円を盛り込んだ。条件不利地などの森林整備や森林環境保全のため、市町村が提案実施する里山・平地林の整備などの事業に対して補助をしていく。森林整備には3億8609万2000円、市町村提案実施事業には1億9000万円を見込んだ。大澤知事は「(建設業の技術者だけでなく)森林も従事者がいない。山の荒廃を回復させ、水源県群馬の体制整備を図ることが目的」と話した。
 大澤知事の最重点施策のひとつである『7つの交通軸を強化する道路整備の推進』には277億6874万5000円を計上。高速道路へのアクセス道となる上信自動車道や東毛広域幹線道路、西毛広域幹線道路などの整備を推進する。「就任以来、7軸整備に取り組んでいるが、北関東自動車道の開通が大きい。企業誘致がいい形で全国トップクラスの水準で推移している。これをもっとしっかりするためにも7軸整備が大事だ」と大澤知事は示した。
 このほか、新規事業には医療施設耐震化促進や旅館ホテル耐震診断補助などを盛り込んだ。医療施設耐震化促進は医療施設の安全性の向上と災害時における医療提供体制の確保を図るため、耐震診断未実施の施設に対して、耐震診断にかかる経費を1施設あたり200万円補助する。医務課が要望を確認したところ、3施設から要望があったため、この3施設に対して計600万円を補助する。施設名は現段階では非公表としている。
 旅館ホテル耐震診断補助には4120万6000円を措置した。耐震改修促進法の改正により、15年末までの耐震診断実施が義務付けられた3階以上かつ面積5000u以上の旅館ホテルに対して、市町村を通じて耐震診断費(国庫補助対象限度額の6分の1)を補助する。衛生食品課によると、県内の対象施設は18施設あり「対象事業者に早期の診断を促していく」としている。