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北海道建設新聞社
2014/02/05

【山梨】県住宅公社2038年度解散へ新改革プラン案

 県は、経営悪化が懸念されている県住宅供給公社の新たな改革プラン案を県議会全員協議会に説明した。案では、改革を先延ばしせず県の財政支援を強化し、新たな課題になっているファミリー賃貸事業が終了する2038年度(平成50年度)をめどに公社を解散する。現在行っている県営住宅約7800戸の管理は23年度(平成35年度)をめどに指定管理者制度によって民間に任せる。これらによって県の負担を約20億円圧縮できるとしている。
 県住宅供給公社は、1968年(昭和43年)に設立以来、3000戸を超える分譲住宅などを供給してきたが、バブル崩壊後の地価下落などにより経営が悪化。そのため経営の健全化に取り組み、10年には改革プランを策定して借入金の削減などを実施。県によると13年度末にはプランに掲げた目標をおおむね達成できるという。
 一方で、民間の土地所有者と共同で住宅金融支援機構の融資を受けて賃貸住宅を建設するファミリー賃貸住宅等割賦事業において課題が生じている。一部の事業者の経営悪化で返済が滞り、公社が肩代わり返済の状況となっている。
 そのため、滞納金の解消に向けた対策として、厳正な滞納金の回収に加え、経営が悪化した事業者に代わり賃貸住宅を取得して直接経営することで借入金を返済していく必要があり、県が損失補填を行う必要があるとした。
 また、公社の分譲事業はすでに終了しており、新規事業を行っていない公社が行っている県営住宅の管理事業を長期間続けていくことは困難となっている。
 さらに、ファミリー賃貸事業の契約によって38年まで公社の存続が必須であることを踏まえ、公社を25年後の38年度をめどに解散することが妥当とした。
 一方、県は公社に対して補助金や短期無利子貸付金による財政支援を行っているが、今後も現在の支援を継続して38年度に公社解散となると、それまでに約54億円の県負担が生じるという。しかし、早い段階から財政支援を強化して積極的に債務処理に取り組むと県負担を約20億円縮小させ約36億円とすることができる見通し。
 新たなプラン案について横内正明知事は「この取り組みを決断することが県民の負担を最も少なくできる方法と考えている。清算のための県民負担が生じる見込みとなったことはまことに申しわけなく思っているが、できるだけ早い時期に方向性だけでも決めたいと思っている」と理解を求めた。