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建通新聞社
2014/02/24

【大阪】太陽の塔内部公開へ補強・改修セットで着手

大阪府府民文化部は、万博記念公園内にある太陽の塔について、内部公開を目指し、耐震補強とセットで内部改修に着手する方針。2014年度当初予算案に事業費5000万円を計上。14年度前半に実施設計を委託し、15年度以降の工事発注を目指す。委託方法は、プロポーザルも視野に今後検討する。総事業費は日本万国博覧会記念機構が約10億円を概算。2月10日には、万博公園全体の在り方を検討する有識者会議の第1回会合を開催。今後、太陽の塔の公開手法などについて検討する部会も設置する。
 太陽の塔は1969年の完成。建築法上は工作物の扱いで、高さ70b。
 構造は、基礎と胴体(下部)が鉄筋コンクリート造。リング部(中央部)が鉄骨鉄筋コンクリート造。腕と頂部(上部)が鉄骨フレーム+ショットクリート。基底部は直径20b。腕の長さ25b。
 内部には、生命の進化を表現したとされる高さ45bの作品「生命の樹」がある。
 2010年の40周年事業で内部の再公開を予定していたが、耐震性の不足が判明。補強の準備を進めたものの、13年3月の万博機構による工事発注が不調に終わった。
 その後、機構が3月末で解散することになり、府が修繕積立金18億円などとともに公園業務を引き継ぎ、耐震補強と内部の改修を一括で進めることになった。
 耐震補強の基本・実施設計は、昭和設計(大阪市北区)で作成済み。14年度に外注する実施設計は、内部公開に向けた改修設計が中心で、生命の樹の復元や保存方法なども検討する。
 事業費約10億円は、耐震補強、内部改修各4億〜5億円の内訳。
 府の担当者は、「国との財源調整にめどが立ち、改修と補強のセットで工事が可能となった」と話す。
 有識者会議は、8月中ごろまでに中間報告、15年1月ごろの答申を予定。太陽の塔の在り方の議論を先行して進める。