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建通新聞社(神奈川)
2014/04/18

【神奈川】川崎市 川崎駅周辺地区の荷さばき対策で基本計画策定

  川崎市は、川崎駅周辺の幹線道路を歩行者や自転車、バスなどが安全に通行できるようにするため、「川崎駅周辺地区荷さばき対策基本計画」を策定した。@荷さばきスペースの適切な確保A荷さばきの場所や時間の誘導B荷さばき対策の仕組みづくりの検討C多様な物流関係者への周知・広報―など4つの方針を柱に掲げ、総合都市交通計画と整合を図りながら、おおむね10年で目標の達成を目指す。
 基本計画では、▽施設整備の方向性▽運用などの方向性▽啓発活動―のそれぞれの面について段階的に取り組むため4つのステップを設定。ステップ1では荷さばきのルールの運用や民間駐車場の活用などソフト対策中心に取り組み、ステップ2では路外での荷さばきスペースなどの確保を推進するとしている。また、ステップ3では、路上と連携した複合的な施策展開を、ステップ4では地区独自の荷さばきシステム(共同配送など)の導入を、それぞれ実施する考え。4段階のうち、ステップ1、ステップ2はおおむね2〜3年で実施を目指すが、当面、物流関係者の合意づくり、課題に対する共通認識の醸成に取り組むため広報、啓発活動が中心となる。
 施設整備の面での対策としては、@民間駐車場への誘導A荷さばき施設の確保、適正配置B共同荷さばき施設の整備、搬出入路の整備―を挙げており、例えば、民間駐車場については荷さばき区画を地域で共同で確保したり、統一的な料金システムなどを設けることを構想。また、商業施設への荷さばき施設の付置義務条例を設けることや、大規模な土地利用転換計画に連動した荷さばき施設の確保、館内物流施設の整備、エリア単位の共同荷さばき施設の整備、交通規制と連動した荷さばき施設の整備―などをイメージしている。
 川崎駅周辺は、路線バスや観光バス、タクシー、自転車などさまざまな交通需要が集中していて、交通面の課題も多い。特に商店などへの荷物を配送する車両が路上で荷さばきを行っていることが多く、歩行者の安全を阻害したり、バスや自転車のレーンをふさいだりしている。歩行者の回遊性を確保し、街の魅力を向上する上からも、荷さばき対策に取り組む必要性があることから、川崎市では有識者や商工会、運送業関係者などを含む検討会を設置し、今回の基本計画を策定した。
 ただ、川崎駅周辺には荷さばき施設自体が不足しており、路上荷さばきのスペースを新たに確保するのも困難な状況にあり、地域全体で対策を進める上で、関係者が問題意識を共有化し、意思統一を図っていくことが重要になる。