トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社
2014/04/22

【大阪】耐震化率0→62%UPし柴島上系廃止

大阪市水道局は、浄水施設のダウンサイジングに備え、施設の耐震化を本格化させる方針だ。昨年度時点で浄水施設の耐震化率は0%。今後、柴島、豊野、庭窪の耐震化に着手し、2025年度までに耐震化率を62%まで上げる。その後、柴島浄水場上系を廃止し、浄水施設能力を水需要に近づける。
 13年度の水需要は1日当たり132万立方b。対して、市が保有する浄水能力は柴島、豊野、庭窪の3浄水場で合計243万立方bと、乖離(かいり)が大きい。
 計画では、25年度末に柴島浄水場上系(67万立方b)を廃止し、全体の浄水能力を176万立方bまでダウンさせる。その後、さらに施設の耐震化を進め、耐震化率が100%となった時点で、庭窪浄水場3系浄水施設(32万立方b)を廃止し、30年度水需要予測値の129万立方bまで落とす。
 ダウンサイジングでの柴島の廃止面積は、上系全体22万平方bのうち、取水施設と5、6号配水池を除く、約14万8000平方b。廃止後の跡地利用については、グランドデザイン大阪の方針に基づき、効果的な土地活用を検討するとしている。
 浄水施設の耐震化については、豊野の3〜5号配水池の耐震化を先行し、14年度に実施設計、15年度に準備工に着手。16〜21年度に本体工を行う。
 柴島では、上系5、6号配水池と下系3系浄水施設の耐震化を予定。うち5、6号配水池については、14年度中に実施設計を委託し、15年度から準備工、16〜20年度に本体工を予定している。
 下系3系浄水施設の耐震化は、豊野の完了後に本体工を発注し、25年度末までの完成を目指す。
 庭窪の2系については、柴島上系の廃止後に耐震化に着手する。
 また、柴島上系の廃止に併せて、配水区域の再編を予定。上系の配水区域を縮小し、代わりに城東系区域を拡張する計画で、再編に伴い城東系区域に新たに送配水管線2本を新設する。
 うち1本は、口径1000_としてシールド工法を検討。14年度末ごろに実施設計を委託し、16年度の工事発注を目指す。残る1本は、既設共同溝を利用する。
 再編ではこのほか、柴島の上系と下系の間に、連絡管を新設する。着工予定は19年度。
 担当者は、「ダウンサイジングで水需要に近づけたはいいが、地震で配水できなくなりましたでは目も当てられない。阪神・淡路大震災クラスの耐震基準すら満たしていない現状を改善するのが先だ」と話す。