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北海道建設新聞社
2014/04/23

【北海道】人手不足感、一段と強まる−北洋銀の雇用動向調査 

 北洋銀行は22日、2014年度の道内企業の雇用動向に関する調査結果を発表した。雇用人員判断DI(人員が「過剰」とした企業の割合から「不足」とした企業の割合を引いた値)はマイナス29で、1993年度以来20年ぶりの低水準となった前年度を6ポイント下回り、人手不足感が一段と強まった。一方、14年度に新規採用をした企業は42%で、前年度を3ポイント下回ったものの、引き続き高い水準を維持した。
 毎年この時期に実施している調査で、今回は道内企業705社を対象とし、63.5%に当たる448社から回答を得た。調査は、北海道二十一世紀総合研究所が行った。
 道内の雇用人員判断DIは、リーマンショック翌年の09年度にプラス17に上昇し、人員過剰感が一気に強まった。その後、11年度まではプラス状態が続き、12年度にマイナス7へと低下。以後は3年連続でマイナス水準を維持している。
 業種別の雇用人員判断DIは、製造業が前年度比1ポイント上昇のマイナス14、非製造業が9ポイント低下のマイナス35。人手不足感が特に強い建設、運輸の2業種を含む非製造業が大きく低下した。建設は25ポイント低下のマイナス60、運輸は8ポイント低下のマイナス40となった。建設の人手不足は、労務賃金が高い東北被災地や首都圏に人材が流出していることが影響しているとみられる。
 14年度に新規採用をした企業の割合は、96年度以来17年ぶりの高水準となった前年度とほぼ同じ水準を維持した。これまで採用を抑制していた企業による従業員の年齢構成の是正や、将来の人手不足への対応を図る動きが続いた。ただ、予定していた人数を計画通り採用できたとした企業の割合は、前年度を11ポイント下回る67%にとどまった。
 今後1年間の従業員増減の見通しに関しては、「増加」とした企業が「減少」とした企業を上回り、その割合を表す雇用方針DIは前年度を3ポイント下回るプラス23となった。
 調査対象の企業からは、人手が不足しているとの指摘が多く聞かれた。建設業の企業からは技術者を思うように採用できないといった切実な声が挙がった。「次年度以降の公共投資予算が不透明なため、新規雇用については慎重にならざるを得ない」との意見もあった。