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建通新聞社(神奈川)
2014/04/24

【神奈川】神奈川県 かながわスマートエネルギー計画」を策定 太陽光発電を30年に60倍へ

 神奈川県は、薄膜太陽電池の導入などにより、2030年度の太陽光発電量を10年度の約60倍の発電量(85・67億`h/時)とすることなどを目標とする「かながわスマートエネルギー計画」を策定した。13年7月に制定した「神奈川県再生可能エネルギーの導入等の促進に関する条例」に基づく計画。30年度を見通した目標や基本政策などを定める。これまでの取組実績と情勢の変化を考慮し、新たに「産業振興施策と一体的に推進」という観点を加えた。
 @原子力に過度に依存しないA環境に配慮するB地産地消を推進する−の3原則で各種施策を展開。基本政策は、▽再生可能エネルギー等の導入加速化▽安定した分散型電源の導入拡大▽情報通信技術(ICT)を活用した省エネ・節電の取組促進▽地域の特性を生かしたスマートコミュニティの形成▽エネルギー産業の育成と振興。
 数値目標として、@県内の年間電力消費量を10年度比で20年度に10%削減、30年度に15%削減A県内の年間電力消費量に対する分散型電源による発電量の割合を20年度に25%、30年度に45%とする。
 県内の再生可能エネルギー等による発電量は、20年度に計57・11億`h/時とし、このうち太陽光は38・37億`h/時(10年度は1・38億`h/時)。30年度は計104・55億`h/時とし、このうち太陽光で85・67億`h/時を賄う目標。
 太陽光発電の普及施策としては、「屋根貸し」ビジネスモデルの普及やかながわソーラーセンターの運営、薄膜太陽電池の普及などを挙げる。
 薄くて軽い薄膜太陽電池は建物の屋根に加え、建物の壁面、道路や鉄道の法面、自動車や電車の車体などへの設置が期待される。用途の開発や価格の低下を促進するプロジェクトを公募を本年度に開始しており、モデルを示すことで事業の拡大を図る。
 この他、自宅に太陽光発電設備を設置できない者が、出資により発電事業に参加できるように、「市民ファンド」を活用した発電事業の事業化を検討する。
 太陽光の他で拡大を図る再生可能エネルギーは、水力発電、風力発電、温泉熱発電、バイオマス発電、廃棄物発電、海洋再生可能エネルギー−など。風力発電は、小形風力発電を中心に公共施設や民間事業所などへの導入を検討するほか、神奈川県再生可能エネルギー等導入推進基金を活用し、地域防災拠点施設などへの導入を支援する。
 新たな省エネとして注目されるエネルギー・マネジメント・システム(EMS)の導入は11年度の1500件を17年度に13万件へと大幅に拡大する目標。このために横浜スマートシティプロジェクト(横浜市)、スマートシティ構想(川崎市)、Fujisawaサスティナブル・スマートタウン(藤沢市)、平塚クリーンスマートシティ(平塚市)−などと連携。また、市町村と連携してビジネスモデルを公募・選定し、実施する事業者に対して支援する。
 新たな視点の「エネルギー産業の育成と振興」では、エネルギー関連企業の県内に積極的に誘致。エネルギー関連産業への参入を促進するため、水素ステーションなどに関連する技術開発を支援。事業化を目指すエネルギー関連の有望ベンチャープロジェクトを全国から募集し事業化に至るまで一貫して支援する。