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建通新聞社四国
2014/05/09

【高知】固定式防波堤設置を視野に

 国土交通省四国地方整備局と高知県は5月1日、高知港における地震・津波対策の検討状況を明らかにした。南海トラフ地震が発生した際に高知港での被害を最小化させるため、2014年度予算に計上された国の調査を活用し、整備計画案を策定する。これまでに三重防護による対策方針案をまとめており、浦戸湾口地区や孕地区での固定式防波堤設置も視野に入れながら計画をまとめる。
 固定式防波堤については、@湾口部に設置A孕地区に設置B湾口部・孕地区の両方に設置−の3案があり、これまで検討されていた湾口部への可動式防波堤設置を含めて、津波シミュレーションを行った。L2津波に対する効果は、3案とも顕著な差がないため、今後、費用対効果について詳細に検討する。なお可動式防波堤については、減災効果がほかの案より小さいため、実現の可能性は低いとみられる。
 高知港の地震津波防護の対策方針案は@第一線防波堤のラインで粘り強い構造への補強などを実施し、津波エネルギーの減衰や高知新港の港湾機能を保全するA浦戸湾外縁部・湾口部のラインで地盤沈降などに対応した嵩上げや液状化対策を実施し、津波の浸入や北上を防止・低減するB浦戸湾内部護岸などのラインで地盤沈降などに対応した嵩上げを実施し、護岸の倒壊や背後地浸水を防止する−の3ラインでの対策による「三重防護」が有効とされている。すでに@については、三里地区南防波堤で国直轄で事業が進められている。
 今後は、5月下旬に産学官で構成する「高知港における地震津波防護の対策検討会議」で計画方針をまとめた後、全体事業費、施設の構造形式、整備工程、コスト縮減効果などの検討を進め整備計画案を策定し、可能な限り早期の事業化を目指す。