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建通新聞社四国
2014/05/20

【高知】十市前浜海岸など堤防耐震対策を6月から

 高知県土木部は、南海トラフ地震に備えた海岸堤防の耐震対策を南国市の十市前浜海岸と土佐市の新居海岸、宇佐漁港海岸で進める。十市前浜海岸では、初弾工を6月中〜下旬に公告し、ほかの工区も秋以降に順次公告する。新居海岸では液状化対策工を7〜8月、粘り強い構造への対策工を年度末に公告予定。宇佐漁港海岸では年内に設計を外注する。
 十市前浜海岸の防潮堤では、コンクリートで幅を広げる堤体補強工法を採用する方針を固め、各工区の施工延長や補強する幅、コンクリート量、工事用道路の延長などを調整している。2013年度予算の未消化分を対象とする初弾工は、工区の最も東側に位置する南国市久枝で実施する。14年度予算計上分は、いくつかの工区に分割して進める計画で、7月から旧県道春野赤岡線から防潮堤までの南北の工事用道路の整備を順次発注し、秋以降に完了した箇所から順次公告する。
 十市前浜海岸防潮堤は、南国市十市の前沢放水路から同市久枝のトリム公園付近までの延長4680b。堤防高は海抜9・8bで、地震発生時の地盤沈降により県想定の津波高とほぼ同じ8b弱まで沈下するおそれがあることから対策を進める。15年度予算計上分で完了させる方針。耐震工法検討などの耐震診断設計はパシフィックコンサルタンツ(高知市)、実施測量はアースコンサルタント(高知市)が担当。
 新居海岸堤防では、国直轄区間から西側に続く延長約300bでの液状化対策を7〜8月に公告する予定。既設堤防に長さ19・5bの鋼管杭を打ち込む。それより西側の延長約360bでは、パラペットの強化など粘り強い堤防に補強するための工法を検討しており、年度末の公告を目指す方針。設計は日本港湾コンサルタント(高知市)が担当。
 宇佐漁港海岸堤防では、耐震対策に向けた補強工法を検討しており、年内の設計外注、15年度からの工事着手を目指している。延長は4・4`で、既存堤防高は宇佐地区が5〜6b、井尻地区と福島地区が最小で4・5bとなっており、地震発生時には液状化による地盤沈下で背後地の集落が浸水するおそれがある。対策工法基本計画の作成は日本港湾コンサルタント(高知市)、測量調査は太陽プランニング(いの町)が担当。