トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社
2014/05/27

【大阪】太陽の塔整備案決定 7月にも実施設計

大阪府府民文化部は、太陽の塔の整備案について、耐震補強と併せて展示室を設置することに決めた。7月下旬に実施設計に着手し、2015〜16年度に工事を行う。設計の委託方法は今後検討する。5月22日に開かれた日本万国博覧会記念公園運営審議会魅力創出部会(部会長=更家悠介サラヤ社長)の第1回会合で将来ビジョン骨子案とともに、太陽の塔の整備案を審議、了承した。
 整備案では、塔本体の耐震補強と併せて地下に展示室を増設するほか、上下移動観賞型として、塔内にエレベーターや階段を設置する。具体的には、最下層から上層までの順に「生命の樹」を観賞できるように、階段、エレベーターを整備。出入り口部分では、塔正面左側に階段、スロープ、外部エレベーター、塔右側に階段を整備する。
 このほか、地下部分に事務室、トイレを増設する。
 概算整備費は耐震補強と内部改修で約9億円。
 太陽の塔は1969年に完成。耐震基準を満たさず現在は内部が非公開となっている。高さ70b。構造は、基礎と胴体(下部)が鉄筋コンクリート造。リング部(中央部)が鉄骨鉄筋コンクリート造。腕と頂部(上部)が鉄骨フレーム+ショットクリート。基底部は直径20b。腕の長さ25b。
 内部には、生命の進化を表現した高さ45bの作品「生命の樹」がある。
 改修に当たっては、万博当時の生物模型300体のうち約200体を再生、新規製作する。
 展示室には塔の製作過程、テーマ館の模型、テーマ館建設当時のエピソードなどを展示する。
 また、塔内部の公開に掛かる費用については、個人寄付を募集(募金)することを決定。ふるさと納税制度をクラウドファンディングにより導入することを審議、了承した。目標額は1億円。
 将来ビジョン骨子については、万博記念公園事業を引き継いだ府府民文化部が作成。同公園の将来ビジョンとして2014年度中に策定する予定。文化、スポーツ、みどりが一体となった公園づくりにより、世界から人を引き付ける公園整備、運営を目指すもので、太陽の塔は集客施設の柱の一つに位置付けられる。
 場所は吹田市千里万博公園1ノ1で、大阪モノレール万博記念公園駅北側の公園内。