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日本工業経済新聞社(山梨)
2014/06/10

【山梨】リニア環境影響評価書で環境大臣意見

 環境省は、東海旅客鉄道(JR東海)がリニア中央新幹線建設に向けて作成した環境影響評価書に対する大臣意見を国土交通大臣へ提出した。山梨県関係では、巨摩山地から伊那山地までの区間で本線および非常口のトンネル工事前に三次元水収支解析を用いた高精度の予測を行い適した工法を採用すること、オオタカやクマタカの営巣期の工事回避などを求めた。
 そのほかの工事関係では、発生土を抑制するとともに、発生土置き場は自然度の高い区域などを回避して選定し、地方公共団体と協議して管理計画を策定すること、発生土の譲渡先が講じるべき措置を伝達すること、などを求めた。
 環境大臣意見では、リニア中央新幹線の事業規模が約286qと大きく、相当な環境負荷が生じることを懸念。環境への影響を最大限に回避・低減するため、低炭素・循環・自然共生が統合化された社会に向けて十分な措置を行うこと、地方公共団体や住民の関与について十全を期すことなどを求めている。
 さらに、@再生エネルギーの省エネルギー設備の導入計画を策定し計画的に温室効果ガスの排出を削減することA南アルプス国立公園および拡張予定地への影響をできる限り回避することB地域特性に応じて大気質や騒音、振動、土壌のモニタリングと措置を実施すること―なども求めた。