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北海道建設新聞社
2014/06/12

【北海道】小樽市が桃内の一般廃棄物処分場をかさ上げで延命へ 

 次期一般廃棄物最終処分場の造成を検討している小樽市が、当面は現処分場をかさ上げして延命させる方向で調整を始めたことが分かった。新処分場造成に掛かる巨額の費用負担を先延ばしするのが目的。延命には、老朽化した現施設の機器更新などが必要なため、2018、19年ごろに2億―3億円程度を投じて施工する予定だ。
 市では、桃内2丁目113の4に位置する現処分場が19年度にも満杯になる見通しのため、12年度から次期処分場の造成計画策定や建設地の選定作業などを進めてきた。
 市は当初、現施設の隣接地に新処分場を造成する案を念頭に置いていたが、造成費が数十億円にも及ぶため、現処分場の埋め立て部分の上にごみを積み上げる「かさ上げ」による延命策も並行して検討。道や厚生労働省とも協議して、可能性ありとの回答を得た。
 そこで市では13年度に、遮水シートの耐久性や管の強度など、かさ上げによる現施設への影響を調査。その結果、かさ上げが可能と判断し、この方向で調整に入った。
 現施設は2000年度に約65億円を投じて整備した施設で、埋め立て面積11万5000m²、埋め立て容量は94万1000m³。準好気性埋め立て構造で、サンドイッチ方式を採用している。浸出水処理施設の汚水処理能力は1日当たり500d。
 かさ上げによる延命化には、老朽化している水処理施設のポンプ機や制御装置、漏水検知システムなどの更新のほか、飛散防止柵の設置などが必要になる。これらは18、19年度ごろに実施する予定。市ではこの措置によって現処分場の容量を30万m³増やし、次期処分場造成は28年ごろまで延ばすことができるとしている。
 14年度は生活環境影響調査や地域住民との意見交換などの調整を進め、基本・実施設計に備える方針。
 市廃棄物対策課では「処分場造成には計画から7―8年はかかるため、延命したとしても21年ごろにはやはり次期処分場造成に向けた検討をスタートさせなければならない」と話している。