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建通新聞社(神奈川)
2014/06/16

【神奈川】神奈川県企業庁 あじさい公園にらせん水車建設 開成町に譲渡 小水力発電拡大へ

 神奈川県企業庁は、県内市町村での市町村の小水力発電事業を支援する。2014年度に開成町金井島のあじさい公園に「らせん水車」を建設し、町に譲渡する計画。3694万円の事業費を予算化した。第2四半期に工事を発注する予定。工期は8カ月。工種は電気。
 現在、開成町で水車の設計を進めており、完了後、県が工事を発注。14年度末までに完成し、町に譲渡する。建設場所はあじさい公園(開成町金井島)に接する水路。1・35`hを発電し、昼間は発電した電力を全量売電。夜間は公園内の街路灯用として電力を活用する。
 県は、未利用エネルギーを利用した小水力発電設備を拡大する考え。市町村での取り組みを促進するため、水力発電で培ってきた技術・ノウハウを生かし、市町村の小水力発電導入計画に対する助言や技術支援を行う。
 今回は地域振興事業を組み合わせており、県初の事業となる。
 らせん水車は、ポンプとは逆に上部から水を流下させ、らせん構造を持った水車軸を回転させ動力を得るもの。日本でも1945年ころまでは、渓流や農業用水路の落差を利用し、脱穀や製粉など農業用の簡易な動力源として用いられた。しかし、動力設備の発達とともに衰退し、現在ではほとんど利用されていない。
 水車構造は単純で複雑な操作機構もなく、設置が容易。他の水車方式と比較しても経済的。
 こうした利点に目を付け、市町村に紹介したところ、開成町から設置の要請があり、実現に至った。これをモデルとして、他の市町村にも拡大したい意向だ。