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日本工業経済新聞社(群馬)
2014/07/01

【群馬】南牧村長長谷川最定インタビュー

 4月の選挙で南牧村の村長に就任した長谷川最定氏。長きにわたる南牧村役場職員の経験を生かし、村政にあたる。親しんだ村で最後まで暮らせるよう、大規模な高齢者住宅の建設を公約に掲げた。建設計画については「スピード感を持って進めていく」と話し、来年度の着工を目指す。

 −村長就任の感想を
 長谷川 村長選に初挑戦で当選することができて、うれしい。だが、任期の4年で公約を達成しなければならないと考えると不安もある。高齢者住宅の整備も公約に掲げており、短期間で何とかできるか心配だが、前向きに取り組んでいきたい。

 −高齢者専用住宅について
 長谷川 お年寄りが体が健康な状態でも、1人では心配だからと老人ホームに入るケースが多い。だが、現在高齢者専用の住宅は村内になく、一番近いところでも富岡市内。そこに入ったのでは、今まで付き合ってきた人たちがなかなか行けなくなり、付き合いが少なくなると孤立、孤独を感じてしまう。子どもがいても、会いに来れるのは年に数回ということも少なくない。

 −住宅建設の整備スケジュールは
 長谷川 まずは本年度中に用地を確保し、設計にも着手する。そして、来年度には建設工事に入れるようにしたい。1棟に20人や30人が入れるようにする。それを数年かけて何棟かは建設したい。かなり厳しいスケジュールではあるが、スピード感を持って進めていきたい。

 −村の課題は
 長谷川 まずは、雇用を創出すること。東京に出た人が定年まで勤めるかといったら、このご時世、そうとも限らない。リストラに遭うかもしれない。会社が倒産するかもしれない。そんな時、親が住む故郷の村に良い職があれば、この機会に一緒に暮らしてもいいかなということもあるかもしれない。われわれが高校、大学を出る時代には、近隣の富岡市内に一流の企業がたくさんあった。だが、今はその企業が海外に出たりすることにより少なくなった。大企業を誘致するのは無理にしても、小規模な介護職などをはじめ、徐々に拡大していきたい。現在、村の人口は2000人余り。あと10年もすれば、間違いなく1000人を割り込むだろう。ただ、全体が減ったとしても、若い人ができるだけ減らないように考えていかなければならない。

 −建設業界をどう見ているか
 長谷川 建設業界では、道路クリーン作戦を行うなど、地域貢献には日ごろから敬意を払っている。特に、2月の大雪被害の対応には本当に感謝した。中には、重機がある場所まで6時間も歩いたという話を聞いた。今後も、こういう災害が起きる可能性を考えると空振りでもいいから事前に被害を想定し、準備を進めてもらうような体制が望ましい。もちろん経費など払うものは払う。これまでは建設業者の使命としてやってくれていたが、これからは業界を話し合いを持った上、もう少し早い段階で動いてもらいたい。近隣の業者とは、そのあたりのことを今後詰めていくつもりだ。

 −村の職員に求めることは
 長谷川 住民サービスを徹底するのは当然。それに加え、職員には自分がリーダーだったらどうするかを考えて仕事をしてほしい。例えば、合併問題が出てきたら、どのように考えるのか、その時村長だったらどうするのか。トップが合併しますと言ったから合併の仕事をするというのではなく、職員一人ひとりが「私だったらこうする」という意識を持って仕事に取り組んでほしい。

 −休日の過ごし方は
 長谷川 今のところ、ほとんど休日はないが、将来的には孫と遊ぶ時間を持ちたい。あとは趣味の野球やゴルフを仲間とやりたい。そうした付き合いの中には仕事に役立つヒントもある。