トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社
2014/07/22

【大阪】展示室見直す条件で太陽の塔整備案了承

太陽の塔の内部公開に向け、整備費が最も高額となる「整備案1」が、展示室の在り方を見直すという付帯条件付きで了承された。今後、大阪府府民文化部で展示室の拡張の必要性やトイレの位置などを再検討し、固まり次第、修正設計を委託する。7月14日の大阪府日本万国博覧会記念公園運営審議会(更家悠介会長)の第2回会合で審議された。
 太陽の塔は、万博記念公園の魅力向上へのシンボル施設として、早ければ2015年度に内部公開することが決まっている。府は、耐震補強と併せて、展示室を増設する方向で検討しており、同案を含め3案を審議会に諮り、了承を得た。しかし、審議の際に委員から「展示室が狭いのではないか」「事務室やトイレを設置する必要があるのか」などの意見が出され、展示室を見直す付帯条件が付けられた。
 府の担当者は、「今回の審議後、すぐに設計委託と考えていたが、少しずれ込むことになる。検討を急ぎたい」とした。設計の委託時期は、第3回会合(8月26日開催予定)以降になる見通し。
 整備案1によると、整備費は約9億円を概算。塔内部に展示されている「生命の樹」を下から見上げるだけでなく、階段、エレベーターを設置し、上からも鑑賞できるようにする。地下には、太陽の塔のコンセプトや造られた経緯を紹介する幅約10bの展示室を設置。当初のイメージでは、そこに事務室とトイレを設置することとしていた。
 更家会長は、「太陽の塔はシンボル施設。フルスペックでの整備をお願いしたい」と述べた。
 内部公開に向けては、独立行政法人所管時に耐震補強と内部整備を計画。昨年度に工事の入札を実施したが、不調に終わり、ことし4月から府民文化部が事業を引き継いだ。耐震補強の基本・実施設計は、展示室設計と一括して昭和設計(大阪市北区)で作成済み。
 太陽の塔は1969年に完成。耐震性が低く、現在は内部が非公開となっている。高さは70b。場所は吹田市千里万博公園1ノ1で、大阪モノレール万博記念公園駅北側の公園内。入場料金やグッズ販売については今後の検討とした。