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建通新聞社
2014/07/29

【大阪】中津高架橋全面補強で耐震化 大阪市建設局

大阪市建設局は、老朽化した中津高架橋について、全面補強により耐震化する方針を固めた。2014年度末までに実施設計をまとめ、15年度以降の工事発注を目指す。担当課では、「工事費は予備設計で概算するが数十億円規模になる」とみている。補強工事は一括ではなく段階的な発注になりそうだ。実施設計は制限付一般競争入札で手続き中で、8月1日に落札候補者を決める。予備設計も一括して行う。
 中津高架橋は1932年に建設。国道176号の本橋部(橋長425b、有効幅員26・3b)と取り付け部(橋長127・5b、有効幅員12・1b)、大阪伊丹線部(橋長110b、有効幅員21・4b)の3橋からなる全長662bのRCラーメン+ゲルバー構造橋となっている。基礎はコンクリート杭。
 当初は架け替えも検討されたが、交通量の多さ(日量3万5000台)、費用、工期面を考慮し補強による対応が決まった。補強方法については、橋脚のコンクリート巻き立てを中心に、今後の設計で固める。
 設計では、まず予備設計で耐荷性について、標準部1カ所、特殊構造部2カ所の計3カ所の解析を行い、併せて、耐震性能照査を実施。補強案を数案立案し、概算数量、概算工事費を算出する。その後、最適案を選定し、実施設計を作成する。
 また、昨年度までの点検調査でゲルバー部からの漏水による損傷箇所が多数判明しており、ゲルバー部の漏水対策として、構造改良や伸縮装置、排水装置設置などの対策案を検討する。
 照明施設については、既設鋼柱の撤去案と新照明柱の設置案を選定。このほか橋全体の損傷部の補修設計もまとめる。
 将来の高架下利用の基本方針検討のための資料整理も一括する。
 同市では、南海トラフ巨大地震に備え土木構造物の耐震化に取り組んでおり、市内約800カ所の橋のうち、老朽化した331カ所の耐震化を計画。中津高架橋もその一つで、2018年度末までの完了を目指す。