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日本工業経済新聞社(群馬)
2014/08/20

【群馬】本紙が群交協の組合員へアンケートを実施

 本紙・群馬建設新聞は、群馬県交通安全施設業協同組合(峯ア寛理事長)の組合員22社へアンケートを実施した。組合員には資機材などの自社設備の保有状況や今後の設備投資の有無、資材の価格動向のほか、県発注工事における提出書類の簡素化、主任技術者および現場代理人などの配置、県所管工事における発注の平準化などについて聞いた。このうち、提出書類の簡素化では9割が『簡素化を感じない』と回答し、主任技術者などの配置については、9割近くの組合員が対応に苦慮しているという。発注の平準化に関しても『感じない』といった回答が8割以上を占めるなど、改めて業界の厳しい現状が浮き彫りになった格好だ。

 アンケートは、本紙が組合員22社を対象に今月1日から8日までの間で実施。22社すべての組合員から回答を得た。
 組合員には◇資機材などの自社設備の状況◇今後の設備投資の有無◇今期の資金繰り◇当面の重点経営施策(複数回答)◇交通安全施設関連資材の全体的な価格動向◇上昇傾向にある資材(複数回答)◇今期の公共工事設計労務単価◇今期の労務費の見通し◇県発注工事における提出書類の簡素化◇技術者の雇用状況◇技術者の平均年齢◇技術者の過不足◇前期と比べた残業時間◇後継者の有無◇主任技術者および現場代理人の配置◇県所管工事における発注の平準化−を質問した。
 資機材などの自社設備の状況については、『適正』と感じる組合員が半数を占めたが『やや不足』との回答も4割あった。
 今後の設備投資の有無では、4割弱が『予定あり』と回答。経年劣化による設備を更新せざるを得ない一方、公共事業費の増加などに伴う対応といった面もあり、組合員へ具体的な設備投資の内容を聞いたところ、ダンプやユニック、区画線用ニーダー車など、工事用車両の入れ替えが多かった。
 今期の資金繰りを尋ねると、『問題ない』が6割を占めたものの、残る4割は、受注工事における採算性の低下などもあって不安要素を抱えているようす。
 当面の重点経営施策では、最も回答が多かったのが『資格取得の促進』で、『人材の確保』『技術力の向上』『経費節減』と続いている。
 交通安全施設関連資材の全体的な価格動向について聞くと、『やや上昇』と『上昇』が9割近くを占めた。これらの組合員に上昇傾向にある資材を聞いたところ『ライン材』と『防護柵・デリネーター』が多かった。
 公共工事設計労務単価に対しては、いまだ7割以上が低いとの見解で、今期の労務費の見通しについては『上昇』が6割以上を占めた。
 県発注工事における提出書類の簡素化に関しては、組合員の9割が『簡素化されていない』と回答。組合員からは『提出書類は、逆に増えている』や『提出期限の延長はあったが、提出書類自体は減っていない』『最終提出書類が減少しただけで、作成書類は以前とまったく変わっていない』のほか、『簡素化に対する検査員や監督員の考えが統一されていない』『担当者によって提出書類が異なる』など、発注者側での簡素化に対する見解の相違を指摘する声が多数挙がった。また『電子納品が進んでいるわりに、紙提出が多い』や『電子納品の対象工事でも、紙媒体も併せて要求される』といったデータと紙による二重提出に疑問を感じている組合員も多かった。
 技術者の雇用状況については、『6〜10人』と回答した組合員が最も多かった。平均年齢は『41〜45歳』が約7割、『31〜40歳』も2割強を占めるなど、懸念されている技術者の高齢化は見られなかった。
 他方、技術者の過不足を聞くと、『やや不足』と『不足』が8割以上を占め、人材の確保と育成の難しさが露呈した形。
 前期と比べた残業時間については、『変わらない』が最も多かった。
 後継者の有無では、4割が『決まっていない』と回答。『最適な人材を選任中』や『教育中』といった意見があった。
 主任技術者および現場代理人の配置については、9割近くの組合員が『対応に苦慮している』と回答。兼務措置や資格取得による対応で乗り切っているという。
 県所管工事における発注の平準化に対しては、8割以上が『平準化を感じない』との回答だった。その理由について、組合員からは『月別の売上高でも明白だが、繁忙期と閑散期が明確に分かれている』や『発注時期が重なっている』『年度末に工事が集中している』といった指摘がほとんど。組合員が受注する工事の多数は道路改良や舗装などが終了したのちの仕事となるため『ある程度は、やむを得ない』といった一定の理解は示しているものの、各社とも健全経営の継続に向け、やはり年間を通じた発注の平準化を求める声が多く出された。
 これらのほか、組合員からは『他土木事務所間でも現場代理人の兼務を認めていただきたい』や『実勢に合った単価設定を求める』『適正な工期を確保してほしい』などの要望が挙がった。
 本紙が行ったアンケートについて、峯ア理事長は「組合員が抱えている問題が明白となり、理事長としても再認識させられた。今後は、組合員の問題を踏まえた対応を目指していきたい」とコメントした。