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日本工業経済新聞社(群馬)
2014/08/21

【群馬】現場代理人常駐緩和と主任技術者の兼任状況

 本紙・群馬建設新聞は、県と35市町村に対して、現場代理人の常駐緩和と主任技術者の兼任規定を設けているか調査した。その結果、独自に規定を設けて現場代理人常駐義務の緩和や複数工事での主任技術者兼任を図っている自治体がある一方で、多くの自治体が認めていない、もしくは規定そのものを設けていないことが分かった。

 本紙が実施した調査によると、現場代理人の常駐義務の緩和について独自に規定を設けている市町村は◇前橋市◇高崎市◇伊勢崎市◇太田市◇渋川市◇安中市◇嬬恋村◇玉村町◇大泉町−。一方、主任技術者の兼任を認める独自規定を設けているのは◇高崎市◇渋川市◇安中市◇大泉町−となっている。
 県では現場代理人について「工事現場における運営、取り締まりおよび権限の行使に支障がなく、発注者との連携体制が確保されると認められた場合」に、工事現場における常駐を要しないことができるとしている。これとは別に県土整備部では同一事務所が発注した工事で@現場が特定されない管内一円工事および多数の現場を一括して発注した維持補修工事とほかの工事A現場が特定できる請負金額2500万円未満の工事とほかの工事B工場製作のみを行う期間−でも兼務を認めている。@は管内一円、維持補修工事の複数を可とし計3契約まで、AとBは2契約までとする。
 農政部でも◇現場が特定できる請負金額2500万円未満の工事とほかの工事◇工場製作のみを行う期間−について認める措置をとっている。ただし、同一事務所で発注した工事で2契約までとし、所長などが認めた場合に限る。工事管理上、特に問題がある場合を除いて認められるが、兼務を認めたことで工事に支障が生じた場合、もしくはその恐れがある場合は兼務承諾を取り消して常駐を指示する。
 主な市の状況を見ると、前橋市は@市発注工事A市内に本店を有する者か、その者と同一に取り扱ってきた者が受注した工事B兼任する2工事の当初請負金額が計2500万円未満であること(優良建設業者認定を受けた者は認定期間中、兼任する双方の工事の当初請負金額が2500万円未満であること)−をすべて満たした場合に認め、優良建設業者に対しては優遇措置を講じている。伊勢崎市や太田市は◇近接工事として市が認めた工事◇工事場所が特定されていない市内一円工事◇発注者が特に支障がないと認めた上で@市発注工事A兼務対象となる旨が仕様書などに明示された工事B兼務にかかわるそれぞれの工事請負金額が500万円未満の@ABすべてを満たした工事−で常駐義務を緩和している。安中市では、市発注で現場が特定できる請負金額500万円未満の土木工事、5000万円未満の建築工事、2500万円未満の水道工事で、市が兼務可と認めた工事であれば2件まで認めている。
 規定を設けていない市町村でも「適当と判断した工事は認めている」などとしている自治体が複数あった。
 主任技術者の兼任については厳しく判断している自治体が多い。建設業法では「公共性のある工作物に関する重要な工事のうち、密接な関連のある2以上の工事を同一の建設業者が同一の場所または近接した場所において施工する場合は、同一の専任の主任技術者がこれらの工事を管理することができる」とされている。例えば県道の交差点改良工事とそれに伴う水道管の移設工事などが当てはまるが、県でもこういったケースでは兼任を認めている。
 一方で、国土交通省はことし2月3日付で「建設工事の技術者の専任等に係る取扱いについて」を改正し、工事の対象となる工作物に一体性もしくは連続性が認められる工事か施工にあたり相互に調整を要する工事で、工事現場の相互の間隔が10q程度の近接した場所において同一の建設業者が施工する場合」には、原則2件程度、同一の専任の主任技術者が工事管理することができるように緩和している。環境森林部ではこれらを踏まえ、森林土木工事(治山工事・林道工事)について「10q程度以内にある2現場」の主任技術者兼任を認める特例措置を当面の間、期限を区切らず講じている。
 市町の対応を見ると、高崎市では@市発注工事A兼任する工事ごとの請負金額が2500万円(建築は5000万円)未満B工事現場の相互間隔が5q程度かつ自動車でおおむね30分以内の範囲内の工事C特記仕様書などに現場代理人の兼任ができない旨の記載がない−をすべて満たした上で、現場代理人と主任技術者を兼務で配置する場合は2件の工事まで、現場代理人と主任技術者を別々に配置する場合は同一の主任技術者が3件の工事まで兼任を認める緩和策をとっている。
 渋川市では、請負金額の合計が2500万円未満(建築は5000万円未満)で3件まで、安中市は2500万円未満の工事であれば何件でも兼任を認めている。大泉町では工作物に一体性もしくは連続性が認められる工事か施工にあたり相互に調整を要する工事で、相互の間隔が5q程度である上で、請負金額2500万円未満(建築は5000万円未満)なら2件まで可能としている。