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日本工業経済新聞社(群馬)
2014/09/08

【群馬】公共事業費46億追加 県9月補正案

 大澤正明知事は8日、9月補正予算案を発表した。公共事業費は環境森林部と県土整備部分で計46億400万円を追加措置。道路整備や交通安全対策など社会基盤整備を着実に進めるとともに、土砂災害や河川災害対策も講じ、県民の安全安心確保を図る。また、いずれも太田市にある救護施設と児童養護施設の耐震化に向けた整備補助金も新規で計上した。このほか、2月の大雪で被害を受けた佐波伊勢崎農業協同組合の野菜集出荷貯蔵施設の解体撤去・再整備の補助金も盛り込んだ。
 公共事業費は、社会資本整備総合交付金事業の減額内示が40億3900万円、補助公共事業費の内定に伴う減額補正が20億5000万円あったものの、国交付金の内定に伴う増額補正100億9300万円と純単独事業6億円を追加計上した。差し引き46億400万円の増額となる。昨年度の9月補正予算では34億9200万円で、昨年度比では11億円強の増額だ。
 交付金事業増額補正100億9300万円の内訳は、7つの交通軸の整備・強化26億601万9000円、橋梁耐震化・長寿命化10億1940万円、交通安全対策30億2113万6000円、トンネル安全対策1億7199万4000円、計画的な舗装補修14億3500万円、その他道路事業18億3945万1000円−。道路整備と交通安全対策を並行して推進していく内容だ。
 一方の純単独事業6億円の内訳は、世界遺産周辺整備1億円、交通安全対策6000万円、河川整備(堆積土除去・伐木)2億円、砂防整備1億円(施設整備・堆積土除去)、街路整備2000万円、治山1億円、林業作業道整備2000万円。先月、広島県で発生したように近年増加傾向にある土砂災害や河川災害対策を図るほか、6月に世界遺産登録された「富岡製糸場と絹産業遺産群」周辺整備も進める。
 新規事業で目を引くのは、救護施設整備費補助4億2557万3000円と児童養護施設整備費補助2億3280万円で、いずれも国の社会福祉施設等耐震化等臨時特例基金を活用する。前者は社会福祉法人緑会(太田市)が実施する救護施設の耐震化などの整備を補助するもので、補助率は基金2分の1、県4分の1、事業者4分の1。後者は社会福祉法人三晃福祉会(太田市)が行う児童養護施設の耐震化などの整備に対して補助する。補助率は同様に基金2分の1、県4分の1、事業者4分の1。
 このほか、太田市長手町にある、ぐんまこどもの国児童会館外壁改修工事に7000万円、八ッ場ダム建設に伴い水没する長野原警察署川原湯駐在所の移転に向けた設計に400万円を確保し新規着手する。ぐんまこどもの国児童会館は築後約25年経過。老朽化が進行しているため、緊急に外壁全周の改修工事を実施する。長野原警察署川原湯駐在所は2015年度早期に移転先での新築工事に着手するため、本年度中に設計をまとめる。
 2月の大雪被害を受けた佐波伊勢崎農業協同組合の野菜集出荷貯蔵施設の解体撤去・再整備には、当初予算と補正分を合わせて1億9534万1000円(解体撤去266万6000円、再整備1億9267万5000円)を補助する。補助率は解体撤去が3分の1、再整備が2分の1。また、伊勢崎市波志江町の県立障害者リハビリテーションセンター再編整備事業には1億6000万円を追加。新棟建設に向けて土地造成や既存施設の撤去工事を実施する。
 9月補正予算案の総額は72億6975万円で、補正後の予算額は7306億7783万9000円となる。
 大澤知事は記者会見で「県内経済の本格的回復と県民生活の安全安心確保に取り組む」と話した。記者からこれまでの成果について問われると「7つの交通軸を積極的に取り組み、東毛広幹道が全線開通した。県内の高速道路が開通したにもかかわらず、主要幹線道路の連続性が担保されないと、群馬県の将来の発展はないと思っている」と強調した。
 また、3期目の出馬については「今は白紙。2期目を一生懸命やるのが最優先」と述べるにとどめた。