トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

北海道建設新聞社
2014/09/17

【北海道】釧路市が市立病院増改築計画を再検討へ−実施設計は中断 

 釧路市は2015年7月の着工、17年度の供用開始を予定していた市立釧路総合病院の増改築を再検討する。当初42億円と見込んでいた建設費の大幅増による病院運営の収支計画への影響のほか、国の医療制度見直しに伴い、道が15年度に示す地域医療構想(ビジョン)のガイドラインに沿った新たな施設整備計画の検討が必要になったため。整備スケジュールや施設規模などは未定。12月定例市議会までに方向性を示す考えだ。
 16日の市定例議会民生福祉常任委員会で病院事務局が報告。建設費が想定を上回る試算となったほか、医療制度見直しで道の地域医療構想(ビジョン)ガイドラインに沿った施設整備計画の検討が必要になったことを説いた。増改築の契機となった災害拠点病院の機能拡充については「計画の中で維持したい」との意向を伝えた。
 春湖台1の12にある同病院は1984年度の建設。現在はSRC一部S造、地下1地上9階、延べ4万6688m²の規模となっている。増改築の工期は21カ月程度で、15年7月着工、17年3月完成予定とし、着工に先駆け、14年度は敷地内に154台の立体駐車場を整備している。
 市が6月に発表した増改築計画によると、増築の事務エントランス棟(RC造、地下1地上4階、延べ6200m²)は、1階に患者受け付けや相談室、医事課など「病院の顔」機能を集約し、2階に狭あい化している人工透析室を移設。3階に化学療法室と事務部門、4階に講堂や会議室などを置く。
 改修は中央診療棟・入院棟の一部の延べ6240m²を対象とする。1階の脳神経外科病棟を2階に移して集中治療室をまとめるほか、リハビリテーション室の拡大や中央採血室の設置などを予定。受水槽や自家発電設備の拡充、地下タンク整備も施して、災害拠点病院としての機能強化を図るという内容だった。
 基本・実施設計は久米設計・斉藤譲一設計共同体で進めているが、年度内完了予定の実施設計は中断。病院事務局によると、「今後、設計変更や業務の繰り越しなどを含めて協議するが、前例がないケース」という。