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日本工業経済新聞社(群馬)
2014/09/30

【群馬】7軸整備経済効果は年間約600億円

県県土整備部は9月30日、「7つの交通軸」の整備による経済波及効果が年間約600億円に達すると明らかにした。同日開かれた県議会産経土木常任委員会に報告したもので、県内総生産の0・8%に相当する。「はばたけ群馬・県土整備プラン」の計画最終年度となる2022年度末には、年間約2000億円(県内総生産の2・6%)にまで上ると算出。7軸道路整備により雇用の拡大や税収増などの効果が期待される。
県土整備プラン計画期間(08年度〜22年度)の中間年度にあたることや東毛広域幹線道路の全線開通を契機に、本年度から整備効果の検証作業に着手していた。「7つの交通軸」を整備した場合としなかった場合を比較して算出した。7軸整備を促進したことで、県内総生産が年間約600億円増加する。
08年度から14年度末までの7年間での整備延長は約102q、投資事業費は約1700億円。経済波及効果が年間約600億円であることから、単純計算で税収増やGDP増といった間接効果だけでも、3年弱で投資事業費が還元されることになる。間接効果とは別に、走行時間の短縮や走行経費の節約、交通事故の減少といった直接効果(利用者便益)も発現する。年間600億円の経済波及効果のうち、東毛広幹道の全線開通による効果が年間約510億円。全線4車線化となる17年度には年間約650億円と試算されている。
経済波及効果以外にも、多くの効果をもたらしている。例えば「尾瀬軸」にあたる国道120号椎坂バイパスを整備したことで、沼田ICから吹割の滝や尾瀬といった観光地への移動時間が通常時で約10分、積雪時には約20分短縮される。草津温泉や万座温泉へアクセスする「吾妻軸」は、国道145号八ッ場バイパス整備により本年度末で渋川伊香保ICから約10分、上信自動車道の整備が進む22年度末には、約30分の時間短縮効果が見込まれる。「東毛軸」も、東毛広幹道全線開通により高崎駅東口〜板倉間が約25分、全線4車線化となる17年度には約35分の短縮効果が想定される。
また、08〜13年の工場立地件数(全業種)累計は411件。47都道府県で全国第2位につけている。県道路整備課は「県土整備プランで『いつまでに完成させる』とうたっていることで、民間投資を誘発できている」と話す。特に直近3カ年は、11年・33件(8位)、12年・70件(3位)、13年・128件(2位)と上昇傾向にあり、7軸整備が進む今後もさらに期待できそうだ。
このほか◇IC15分圏域内人口◇新幹線駅から15分圏域内人口◇IC15分圏域内工業団地◇三次救急医療機関30分圏域内人口−といった点でも高い効果が出ている。IC15分圏域内人口は整備前の148万人から、14年度末で162万人に増加。22年度末には173万人になる見通しだ。新幹線駅から15分圏域内人口も42・4万人から14年度末で46万人、22年度末で47・7万人になる。IC15分圏域内工業団地は従前の118カ所から本年度末で132カ所、22年度末で138カ所となる。重篤な救急患者を原則24時間365日受け入れ可能な三次救急医療機関30分圏域内人口も158・4万人から、本年度末で168・2万人に増加。22年度末には172・1万人になる見通しで、経済面だけでなく、県民の安全安心確保といった点でも効果が見込まれている。