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日本工業経済新聞社(群馬)
2014/10/10

【群馬】県中之条土木が嬬恋村で堰堤の設置を計画

県中之条土木事務所は、嬬恋村の鎌原地内を流れる笹平沢で砂防堰堤の新設を、隣接して流れる鎌原沢でも既存堰堤の改築をそれぞれ計画している。現在は用地交渉を進めている段階で、順調に進めば本年度内に鎌原沢の工事用兼管理用道路L130mの新設工事を行う。来年度は鎌原沢の本体と笹平沢の工事用兼管理用道路を整備し、16年度は笹平沢の本体工に着手する。2016年度までの事業完了を目指しており、総事業費には1億5000万円を見込んでいる。
笹平沢に新設するのは堤高8・5m、堤長31・3m(体積約1300立方m)のソイルセメント工法堰堤。前庭保護工の整備も予定しており、延長が12・5m、垂直壁部分での幅員が約8m、垂直壁の高さは3・9mとなる。工事用兼管理用道路は、L250m、W4mを整備する。
一方の鎌原沢では、既存堰堤(堤高4・5m、堤長34mの重力式コンクリートダム)の嵩上げを計画。それぞれの増加量は、堤高では現状の4・5mから1m増やし5・5mに、天端では厚さを現状の1・5mを倍増させ3mに、堤体下部では厚さを現状の3・5mから1・95m追加し5・45mとする。この嵩上げによるコンクリート打設量は約367立方mを見込んでいる。工事用兼管理用道路はL130m、W4mで新設する。両堰堤の設計は、技研コンサル(前橋市)が担当した。
工事は鎌原沢砂防堰堤を先行する予定で、本年度は鎌原沢堰堤で工事用兼管理用道路の新設を実施する。来年度は鎌原沢の本体工事と笹平沢の工事用兼管理用道路を、最終年度となる16年度は残る笹平沢の本体工事を計画している。
2つの沢はJR吾妻線の万座鹿沢口駅南側を流れ、吾妻川の右岸側に合流する。これまでにもいくつかの堰堤が整備されているが、いずれも満砂となっている。
下流部には、同駅のほか、国道144号や集落もあり、土砂災害の発生時には甚大な被害となる恐れもあることから工事が計画された。