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北海道建設新聞社
2014/11/04

【北海道】当麻町森林組合が製材工場を増強−木造化施策追い風に林業活性化 

 当麻町森林組合は、リニューアルした製材工場の稼働を始めた。フランス製チップキャンター付きツインバンドソーの導入など大規模な設備投資で、町産材の需要増に対応する。林業の活性化や雇用拡大にも期待が広がる。
 町による公共施設の木造化や住宅建築補助が追い風となり、町産材の需要が拡大。国や町の補助を受け、総事業費3億4878万円を投じて工場を一新した。
 本機に導入した新たなツインバンドソーは、以前は大きな製材にならなかった丸太の切り落とし部分を2段階で加工する。原木を無駄なく活用し、ラミナーや建築材の生産量を従来の3倍に増やす計画だ。
 このほか、皮むき機や搬送装置、ツインオートテーブル1台などを更新し、5連トリマーを1台増設。これまでの製材加工量(1年当たり)1万1000m³から、3―5割の増強を見込む。
 10月28日、工場内で18人が作業に当たっていた。機械の稼働状況を監視するオペレーターや、新たな機械の精度を調べる人、搬送装置を流れる材を次の工程に送る人。このほか、事務員や森林の現場作業員を合わせて50人が業務に携わっている。
 中瀬亘組合長は「設備投資は人員削減につながると思われるが、それは違う。木を使った分、植える人も必要。林産業の確立で、雇用は30―40%増える」と展望する。
 また、新たな試みとして、木の成育50年を1サイクルとする長期ビジョンを策定した。過去の取り組みが今につながり、今の取り組みが未来につながる循環型産業の意識を共有し、「農業とともに資源を生かした地方再生」(中瀬組合長)を目指す。