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福島建設工業新聞社
2014/11/13

【福島】県土木部/委託案件にも繰越活用へ/建コン協と意見交換

 県土木部は、委託業務の品質と適正な履行期間を確保するため、今年度から委託業務についても明許繰越を活用する。12月定例議会に繰越措置を諮る方針で、対象案件は議会承認後、年明けにも入札手続きを始める見通し。震災の復旧・復興事業が本格化し、事業量の増大と業務規模が大型化している中、年度後半の発注で、年度内に必要な履行期間を確保できない案件について、工事と同様に年度跨ぎを可能にする明許繰越を活用することで、納期の集中を回避する。12日に福島市の杉妻会館で開いた建設コンサルタンツ協会東北支部との意見交換会=写真=で明らかにした。
 意見交換会には、同支部から遠藤敏雄支部長と役員、県内会員など23人、県側は室井良文土木部企画技術担当次長、吉野和晴総務部入札監理課主幹ら8人が出席。同支部が@さらなる技術力重視による選定と発注の仕組み等導入促進A魅力ある建設コンサルタントの創出B安全・安心な国土を形成するための国土強靭(きょうじん)化、インフラ保全C建設コンサルタントの活用実態D東日本大震災の復興事業―に関して要望・提案し、意見を交わした。
 委託案件の繰越措置活用については同支部が、品質を確保するためには「早期発注、業務規模に応じた履行期間の確保、状況に応じた履行期限延期、繰越や翌債を活用した納期の年度末集中解消」が必要と求めたのに対して、土木部側が答えた。今年度限りではなく、必要であれば来年度以降も活用する方針だ。
 入札契約関係では、総合評価方式の活用実績を質問。24年度139件、25年度72件、26年度は10月末時点で67件の見込みとなっており、減少傾向にあるものの、同部では「緊急を要する復旧・復興関連で随意契約が多くなっているが、総合評価方式を増やしていく方向に変わりはない」と回答した。
 最低制限価格の引き上げ要望に対しては、直近の平均落札率が90%台で上昇傾向にあることを説明し、「受注状況や国の動きも見据えて、必要に応じて見直す」と答えた。同価格設定方法の公表要望に対しては、過当競争やくじ引きの増加なども懸念されるとし、現時点で「公表予定はない」とした。
 宮城県が今年度導入した委託業務の表彰制度については「必要性は感じる。宮城県での効果も見極めて検討したい」と回答。遠藤支部長は他県の導入見通しを示した上で「表彰制度は技術力、品質の向上に結び付き、業界全体のレベル向上につながる」と早期導入を求めた。
 今後の維持管理・老朽化対策に関して同支部は、道路法改正に伴う道路点検の義務付けで、発注の集中と市町村の実施体制を不安視し、道路メンテナンス会議の主導的役割を期待した。同部は点検後の補修設計も含めて、現場状況に応じた協会員の新技術に期待感を示したほか、同会議を通してスキルアップに努める意向を示した。
 最後に室井次長が「社会インフラは社会になくてはならないもの。業務の品質を上げることが社会基盤の品質を上げ、県民生活の向上につながる」と述べ、課題の解決へ向けて必要な制度改善等に取り組むと強調した。