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建通新聞社四国
2014/12/09

【香川】南海トラフ地震・津波行動計画を策定

 香川県は2015年度〜17年度まで3カ年の南海トラフ地震・津波対策行動計画(素案)を策定した。ことし3月まで4回にわたって公表した「香川県地震・津波被害想定」や香川県地震・津波被害想定調査委員会からの提言を踏まえ、短期集中的に実施する必要のある防災・減災対策を具体的な行動計画に盛り込んだ。県地域防災計画の下位計画に位置付けており、防災意識の向上や防災リーダーの育成のほか、建物施設の耐震化など、114の行動項目、173事業におよぶ防災・減災対策を推進する。
 毎年度、事業の進捗状況を検証し、必要な場合に計画の見直しも行う。期間終了後は効果の検証を行った上でその後の取り組みについて検討する考えだ。
 同計画は時系列で▽事前の対策▽発災直後の対策▽早期復旧・復興対策の―三つの柱の下に構築。事前の対策では県民の防災意識向上や防災を担うリーダーの育成・活用のほか、ハード・ソフトを組み合わせた総合的な地震・津波対策に取り組む。
 例えば災害拠点病院等の耐震化支援を毎年度実施。小中学校耐震化は市町などが行う耐震補強の一部を助成し15年度に耐震化率100%を目指す。
 県立高校耐震化促進では15年度に耐震化率100%、統合高校は16年度に完成。耐震化の完了していない高松養護学校校舎等改築整備は、旧校舎の解体により15年度中に耐震化率100%になる。16年度中に第3期校舎棟等の改築完了を目指す。
 このほか「事前の対策」で取り組むハード・ソフトを組み合わせた総合的な地震・津波対策の主な行動計画は次の通り。カッコ内はスケジュール、目標など。
 「公共施設の耐震化の着実な実施」

【県有施設の耐震化推進】
 ▽県有施設耐震化推進―在り方検討中を除く防災拠点施設、多数利用施設の耐震化率100%(2015年度)▽斯道学園建替整備―斯道学園を建て替えにより耐震化。18年度末までに工事完了(仮設寮舎への移転により耐震化率は15年度中に100%達成)▽県総合運動公園護岸改修―北・東側護岸の高潮津波・危険箇所改修(15年度末完了)▽五色台少年自然センター改修―本館・自然科学館本館の合築(15年度末完了)▽屋島少年自然の家改築―研修棟改築(15年度末完了)▽県有建物危険度調査―調査マニュアルを活用し県有建物の外壁等危険度調査の実施(15〜17年度、県有建物の劣化度調査に併せて3年に1回程度実施)
【市町の防災拠点施設等建物の耐震化計画策定働き掛け】
 ▽市町有建築物耐震化計画策定推進―防災拠点施設等の耐震化計画策定の働き掛け(15〜17年度毎年度)
【道路施設の耐震化等】
 ▽災害防除―道路法面の崩壊・落石等危険防除▽橋梁耐震化―県管理道路橋梁の耐震化▽緊急輸送路体制の整備促進(17年度末までに県道太田上町志度線外7路線の整備)▽同(17年度末までに県道坂出港線外2路線の整備)
【緊急輸送道路の構造物の健全度を把握するため施設点検】
 ▽道路メンテナンス事業(5年に1回近接目視点検)
【災害発生を想定した道路整備】
 ▽緊急時渋滞対策道路整備―防災拠点空港へのネットワーク機能強化(空港連絡道路 県道円座香南線整備を17年度末までに整備)▽街路整備―停車帯を含む道路整備(中央村黒線外2路線を17年度末まで整備)
【水道施設の耐震化】
 ▽水道施設の更新・耐震化対策―水路管路の更新・耐震化を推進し連絡管や送水管路の複線化等バックアップ機能の充実(18年度末までに水道管路の耐震化24%以上など)▽工業用水道施設の更新・耐震化対策(工業用水道管路耐震化を18年度末までに25%以上)
【下水道施設の耐震化】
 ▽下水道幹線管渠耐震化推進(16年度末までに策定する香川県流域下水道幹線管渠耐震対策計画(仮称)に基づき目標設定)▽下水道終末処理場耐震化推進事業(15年度末に策定の香川県流域下水道終末処理場耐震対策計画(仮称)に基づき目標設定)
【ため池の耐震化】
 ▽ため池整備―老朽ため池の全面改修整備を3529カ所(累計)実施(15〜17年度)▽県営ため池緊急防災対策(耐震性点検調査)―大規模ため池を中心に耐震診断(15年度末までに137カ所の耐震点検調査実施)▽県営ため池耐震化整備―耐震性点検調査の結果、耐震性が確保されていないと判断されたため池の補強工事(17年度末までに67カ所実施・推計値)▽小規模ため池防災対策特別―管理放棄された防災上危険な小規模ため池を市町が主体的に行う防災措置に支援(小規模ため池の防災措置累計・100カ所実施)
【ダム倒壊を防ぐための耐震性能の確認】
 ▽ダム耐震性能照査―ゲートダムについて耐震性能確認
「民間住宅等の耐震化を着実に推進」
【民間住宅等の耐震化を支援】
 ▽民間住宅耐震対策支援―毎年度耐震診断1000件、耐震改修200件実施(15〜17年度)▽緊急輸送道路沿道建築物等耐震対策支援―沿道の民間建築物等耐震診断・改修等を促進するため補助事業を実施する市町にその一部を助成。市町と連携し戸別訪問や文書発送などによる周知・啓発。耐震診断・改修等へ支援(毎年度、耐震診断等6件、耐震改修2件実施)▽民間建築物耐震対策支援(民間大規模建築物は15年度に耐震診断6件、耐震改修1件実施。避難路沿道建築物は毎年度、耐震診断20件実施)
【民間住宅の耐震化に関する事業について県民周知】
 ▽民間住宅耐震対策支援▽木造住宅耐震対策推進
【県営住宅の耐震化】
 ▽公営住宅等整備(15年度末に県営住宅の耐震化率100%)
【家具転倒防止対策に関する啓発】
 ▽県民防災・減災普及啓発
【大地震時に滑動崩落の恐れが大きい大規模盛土造成宅地調査】
 ▽宅地耐震化推進(大規模盛土造成地変動予測調査「第2次スクリーニング」を毎年度2カ所実施。滑動崩落の恐れの大きい大規模盛土造成地の把握に努める)
【私立学校施設の耐震化支援】
 ▽私立学校施設耐震化促進(15年度まで県費助成。16年度以降は国の補助事業活用し耐震化)
【私立学校の室内安全対策】
 ▽私学特色教育チャレンジ支援―防災すきんやAEDの安全対策支援(機器整備)(毎年度1校・園以上で実施)
【社会福祉施設の耐震化支援】
 ▽社会福祉施設等耐震化(17年度までに社会福祉施設の耐震化を90%)
【鉄道事業者が行う耐震対策支援】
 ▽鉄道施設緊急対策―緊急輸送道路と交差する橋梁の耐震対策に必要な経費を補助(鉄道事業者が行う該当橋梁の耐震対策工事を16年度完了)
「既存防護施設の老朽化等の確認・改修の着実な実施」
【海岸施設、河川施設の整備・改修や維持管理】【陸こう・水門等の耐震化】
 12月に策定する地震・津波対策海岸堤防等整備計画に基づきの目標設定
【揺れによる土砂災害等未然防止のため、施設等の整備や維持管理】
 ▽治山▽県営地すべり対策(15年度1カ所整備)▽砂防(17年度末までに4カ所の整備完了。計画的な維持管理)
【香川県防災資機材センター内の泡消火剤貯蔵タンクの老朽化に伴う調査・対策】
 ▽泡消火剤貯蔵タンク点検調査・改修(15年度に泡消火剤の更新)