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日本工業経済新聞社(群馬)
2014/12/09

【群馬】診断義務付け旅館ホテル2施設が交付申請

改正耐震改修促進法が施行されて1年が経過した。来年12月31日までに旅館やホテルなどの不特定多数の人が利用する大規模建築物に対し、耐震診断の実施と結果報告が義務付けられ、県は本年度に診断費の補助制度を創設した。県内の旅館・ホテルでは21施設が報告義務対象とみられているが、現段階で県から補助金の交付決定がなされたのは2施設にとどまる。報告期限まで間もなく残り1年となることから、今後、耐震診断の実施が本格化してきそうだ。
改正耐震改修促進法では、旅館・ホテルや病院、店舗、体育館などの不特定多数の人が利用する大規模建築物のほか、老人ホームや小中学校、幼稚園、保育所などの避難確保上特に配慮を要する人が利用する大規模建築物、一定量以上の危険物を取り扱う大規模な貯蔵場などに対して、耐震診断の実施とその結果報告を義務付けている。
旅館・ホテルについては◇旧耐震基準の建築物◇3階建て以上◇延べ床面積5000u以上−のすべてを満たす施設が対象。特定行政庁(前橋市、高崎市、桐生市、伊勢崎市、太田市、館林市にある施設はその市、それ以外の市町村にある施設は県)において、報告期限が過ぎる2016年以降に結果の公表を行うこととなっている。県建築住宅課は「旅館・ホテルの名称や建物の性能(耐震基準の有無)を公表することになる」と説明している。
旅館・ホテルは宿泊を含めて長時間滞在者が多く、震災時には被災者の受け入れが可能であること、観光振興・雇用確保の面からも重要な施設であることを踏まえ、県では本年度に耐震診断支援事業費の補助制度を創設。4120万6000円を予算化した。診断が義務付けられた旅館・ホテルに対して、県から市町村を通じて、耐震診断費の補助を行うこととしている。県による6分の1の補助のほか、市町村の補助6分の1、国の補助金6分の1、国の交付金3分の1が耐震診断費に充当され、事業者負担は診断費用総額の6分の1となる。
制度を所管する県衛生食品課は県建築住宅課とともに、7月に説明会を開催。対象事業者を含めて広く制度周知を図ってきた。説明会後に対象であることが判明した事業者に対しては、個別に説明している。県衛生食品課によると、現段階で対象とみられる21施設のうち、2施設から交付申請があり、市町村に対して交付決定したというが、依然として19施設が残っている。
診断結果の報告期限が15年末となっていることから「遅くとも来年4〜5月ごろには交付申請してほしい」と話している。