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建通新聞社(東京)
2015/01/08

【東京】浜離宮内に迎賓施設「延遼館」を復元―都

 東京都は、浜離宮恩賜庭園(中央区)にあった近代日本最初の迎賓施設「延遼館(えんりょうかん)」を復元する方針を固めた。2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催までに事業を完了させ、歴史的文化遺産を継承しつつ国内外から訪れる人をもてなす施設として活用する。舛添要一知事が6日の定例会見で明らかにした。現在査定中の15年度予算案に測量や発掘調査、設計に必要な関係事業費約1億円を計上する考えだ。
 延遼館は日本初の西洋風石造建築物とされ、浜離宮内の迎賓館として1869年に完成した。木造平屋1430平方bの規模の建物で、79年に改修後も鹿鳴館が完成するまでは明治政府の迎賓施設として利用され、89年に老朽化のため解体された。
 日本庭園に和風迎賓館を整備する必要性を訴えていた舛添知事は、「日本の伝統文化を伝える“和のおもてなし”ができる場所」として復元に取り組む意向を示すとともに、「豊洲・有明地区の五輪競技会場と舟運で連絡することが可能で、競技を見たVIPを船でお連れしてもてなすこともできるだろう」と舟運の活用も視野に入れていることを明らかにした。
 ただ、「建物があった場所や外観などは確認できているが、内部の資料はそろっていない」と述べ、文部科学省や文化庁と協議を進めながら施設内容を固めていく必要があることを示唆した。また、宿泊機能を設けることについては今後の検討課題としつつ、「国家元首クラスの来賓が宿泊し、食事の手配などまで実施するには(建物の規模が)狭いと感じている」と話し、実現の可能性は低いとの見方を示した。